22日、幕張メッセーで開かれた定時株主総会で発言する平松庚三社長(プレスルームモニターから)。(撮影:吉川忠行)

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経営再建中のライブドアは22日午前、千葉市の幕張メッセで第11期定時株主総会を開き、平松庚三社長は「証取法違反で、多大なるご心配とご迷惑をおかけしたことをお詫びします」と株主に陳謝し、元社長の堀江貴文被告ら旧経営陣に対して、来春にも法的措置を講じて責任を追及する考えを表明した。

 平松社長は「事件の詳細を把握した上で、旧経営陣に法的責任が認められれば、自主的に法的措置を講じる必要がある」と発言。3月に行われる旧経営陣への判決や同社が設置した外部調査委員会(委員長・川端和治 元日弁連副会長)が4月に行う報告を受けて、損害賠償請求など具体策を固める方針だ。

 今回の参加対象となったのは、2006年9月末時点でライブドア株を保有する株主約13万人で、同社では多数の参加を想定して5000席を用意したが、来場株主数は昨年の約1割にあたる506人。筆頭株主の堀江被告の姿はなかった。

 質疑応答では、計27人の株主が質問に立ち、公判中の旧経営陣らの行為やグループ解体の可能性、六本木ヒルズの高額なオフィス賃貸料や国内最大規模の総会会場に対してコスト意識を問う声が続出。平松社長は「解体はまったくありえない」と否定し、07年9月期に単月での黒字達成を目指す方針を表明した。USENとの業務提携については「うまくいっているものもあるし、まあまあのものもある」と総括し、今後も友好的な関係を維持する考えを強調した。

 総会の所要時間は4時間25分に及んだ。株主総数約13万人のうち、議決権行使株主数は約1万5000人。平松氏を除く常勤2人と、宇野康秀・USEN社長ら社外取締役3人がそろって辞任し、米国人2人とUSEN取締役ら計4人を新取締役に選任する人事案を含む会社提出の全4議案が賛成多数で承認された。

 また、ライブドア株100株を1株に併合する会社提案に対し、少数株主が議決権を失うことや1株に満たなくなる端株(はかぶ)の売却方法について懸念を訴える意見も多くあがった。平松氏は「個人的見解としては、株式会社は株主様のもので、最も大切なステークホルダーだと思っている」との認識を示し、株券発行のための経費圧縮を図る会社側の方針に理解を求めた。
  
 承認議案に沿って4月2日付で100株が1株に併合されると、発行済み株式総数の約2%分(2000万株)が1株に満たない端株として発生し、株主が6万人減少する見通し。端株については、会社法235条に従って、競売や裁判所の許可を得て競売以外の方法で売却し、代金を1株未満の株主に分配することになる。

株主 不満と期待が交錯

 「売る道がないから持ち続けるほかない」「1株しか持っていないのでいいや」──。閉会後、一斉に会場から出てきた株主からは、株式併合など保有株式の処分について不満を漏らす一方、あきらめの声も多く聞かれた。また、「他にも同じようなことをやっている会社もあるのに」「社長はキチンと答弁していた」などとライブドア側を擁護する株主の姿もあった。

 6月の臨時総会にも参加したという兵庫県明石市の男性(17)は「株主からの質問をキチンと受けたのは評価できるが、内容は前回とまったく変わっていない」とこぼした。1万株を保有しているという70歳代は男性は「株・ファイナンスというのはこういうものですよ」とあきらめ顔で会場を後にした。【了】

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