魅力ある旅情報を知るチャンス

旅情報が満載の「JATA（ジャタ）世界旅行博2006」（JATA国際観光会議、世界旅行博実行委員会主催）が東京都江東区の東京ビッグサイトで開催中。日本では余り知られていない海外の情報のほか、エコツアーなど特徴のあるツアー、障害者や高齢者に向けの旅情報などを手軽にゲットすることができる絶好のチャンスだ。

　南太平洋に位置するパプアニューギニア（PNG）。成田空港から６時間半で行ける距離にもかかわらず、訪れる日本人は商用・観光と合わせて年間5000人ほどしかいない。ニューギニア航空の小泉義元さんは、「PNGの魅力は“手つかずの自然”にある」と話す。南太平洋の島国では珍しく海と山があり、１週間あればマリンスポーツと高原リゾートの両方を楽しめる。また、ニューギニア航空はPNG政府観光局を兼ねており、小泉さんは「PNGは観光客の受け入れが十分に整っていないのが現状だが、事前に手配しておけば大丈夫。旅行会社を紹介するので、気軽に問い合わせてほしい」とアピールした。

　障害者や高齢者の旅行を促進しようと、旅行会社と旅行者の双方に啓もう活動をするブースが設けられている。ANAセールス（本社・東京都港区、大野晃二社長）のダイレクト販売部室井孝王さんによると、同社では障害者とその家族が年間2000人海外旅行に参加しているという。車いすの場合、飛行機には問題なく乗ることができても、現地の送迎バスが車いすに対応していないという理由だけで、ツアー参加を断られてしまうことがあるそうだ。室井さんはその解決策として、有料になるかもしれないが、バスの代わりにワゴン車を利用する方 法もあると説明。「事前に旅行会社ができること、できないことをきちんと障害者に説明して、解決策を考えておけば、旅行することは可能。もっと旅に出てほしい」と旅行会社と障害者に呼び掛けた。

　「エコツーリズム」は、大自然や歴史ある場所を訪れ、その保全に関心を持つことを目的に考えられた旅のスタイル。地元ガイドの案内で、草木のにおいを楽しんだり、鳥の声を聞いたりと、通常の観光とは違った楽しさがある。エコツーリズム普及のため、日本の世界遺産である屋久島、知床、小笠原、白神山地の４地域が共同でピーアール活動を行う。日本交通公社（東京都千代田区、新倉武一会長）の研究調査部岩城智子さんは、「自然の中で楽しむことが、今度は自然を守る気持ちにつながる。内容によっては家族で参加できるので、是非参加してほしい」と呼びかけていた。

　魅力ある情報、役立つ情報が満載の旅行博は24日まで開催。自分のスタイルに合った“特別な旅”が見つかるかもしれない。【了】