23日、東京・六本木のヴェルファーレのパブリックビューイング会場で、ブラジルに敗れ、涙するサポーター(撮影:吉川忠行)

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先制ゴールを奪うも、王者ブラジルの風格をいやというほど見せつけられ、日本は1次リーグ敗退が決まった―。2006FIFAワールドカップ ドイツ大会1次リーグF組、日本対ブラジル戦は23日、ドイツ・ドルトムントのW杯競技場で行われ、日本代表は1−4と完敗。勝ち点1でF組最下位が決定した。

 東京都港区の国内最大のクラブ「ヴェルファーレ」には1518人のサポーターが集まり、超満員となった。クラブでのイベントらしく、試合前は日本代表の応援歌『サムライブルー』や『島唄』を歌ったり、踊ったりして、盛り上がった。会場内のスクリーンに「残された枠は1つしかない」「絶対に勝たなければならない」という文字が表示されると、自然に「ニッポン」コールが沸き上がり、大きな拍手が広い会場に響いた。決勝トーナメント進出は極めて厳しい状況にあったが、“奇跡”を信じるサポーターが、この日も会場を青く染めた。

 前半34分、玉田圭司が先制ゴールを決めると、サポーターの“奇跡”への期待は高まったが、前半ロスタイムに同点に追いつかれ、後半には3点を献上。実力の差を見せつけられた。今大会無失点だったブラジルに、先制点を奪ったことで、本気を出させたといえる。

 “奇跡”への期待は、後半8分に打ち破られた。ジュニーニョの強烈なシュートが日本ゴールに突き刺さると、日本サポーターは落胆し、声が小さくなった。その6分後、ジウベルトが追加点を挙げると、あきらめのムードが漂い始めた。決勝トーナメント進出の最低条件はブラジルに2点差で勝つことだったので、ヴェルファーレに集まったサポーターの中には集中力を切らし、そこここでたばこを吸い始める人などがいた。

 試合終了後、パブリックビューイングのために同会場に3試合とも来たという大学生は「1試合ぐらい勝つところを見たかった」とつぶやいていた。残念な結果になったが、サポーターの日本代表への評価は概ね好意的のようだ。画面に「ありがとう、日本代表」と表示されると、再び自然に「ニッポン」コールが沸き上がり、観客席に向かう代表メンバーの姿を見ると、拍手が巻き起こった。

 1勝もすることなく、日本代表のワールドカップが終わった。世界の中で戦うには、まだまだ青かったか。【了】

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