画像提供:経済産業省 産業環境局リサイクル推進課

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 クールビズにウォームビズ。最近、環境に配慮した試みを耳にする機会が多くなった。それだけ、環境破壊が進んでいるということなのかもしれない。そんななか、こんな環境問題プロジェクトを見つけた。ちょいと地味だが、紹介することにしよう。

 それは、経済産業省の産業技術研究局リサイクル推進課が11月1日からはじめている「マイカップ自販機の実証実験」だ。マイカップ自販機というのは、いわゆる紙コップ式の自販機を改良し、マイカップ(=自分のコップ)を使って飲み物が買えるようにした自販機のこと。

 あらためて説明する必要はないかもしれないが、通常の紙コップ式自販機の場合、お金を入れるとまず紙コップが先に出てくる。そして、そのなかに飲み物が注がれる仕組みになっている。しかし、マイカップ自販機では、紙コップは出てこず、代わりにあらかじめ用意していたマイカップを置き、そこに飲み物を注ぎ込む。そのぶんだけ、紙コップが節約できるというわけなのだ。

 せ、せこい! なんて思った方もいるかもしれないが、なんとこれが、意外と効果的とか。というのも、現在、日本全国には16万台の紙コップ式自動販売機があり、年間約20億個の紙コップが使われているという。したがって、そのうちの何割かがマイカップに代わるだけで、膨大な量の紙コップが減らせるのだ。

 今回の実証実験では、そんなマイカップ自販機の利便性や消費者行動を把握し、普及に役立てていく考えだという。

 「最近まで、不衛生だという理由でマイカップの使用は法律で制限されていたんです。ですが、規制緩和が進み、マイカップ自販機を設置できるようになりました。すでに実用化もされています。しかしPR不足のためか、一般に認知されておらず、設置事例が少ないのが現状です。そこで、実証実験を行い、利便性や消費者行動について、検討したいと考えたのです」(リサイクル推進課・担当者)
  
 まさに小さいことからコツコツと、といった印象を受けるこのプロジェクト。どこまで有効な手段になるかは、あなた次第だ。今日からマイカップを持ち歩いてみます?(梅中伸介/verb)