アドバックス<4749>は今年3月、創業以来行っていた人工雪「SNOVA」(スノーバ)を用いた屋内通年型ゲレンデ事業から撤退し、M&A(企業の合併・買収)などによる多角的な新事業創出・育成で再起を図っている。新展開で赤字脱却は可能なのか。齊藤大社長に今後の方針などを聞いた。

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――前期(05年3月期)の業績は?

 連結で売上高9億300万円(前の期比60.9%減)。今回、人口室内スノーボードパーク「スノーバ」を閉鎖して特別損失を計上。やっとまっさらの状態に戻ったので、これから黒字展開するつもり。

――今期(06年3月期)の業績予想と今後の方針は?

 今期は連結で約15億円の売上げ、利益1億円を念頭に置いている(発表ベースでは経常利益8000万円の予想)。今まで経営を苦しめていた重しがなくなったので、これからは今まで培ったことをもっと強化し、どんどん進んでいきたい。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 私どもがしているのは(箱ものではなく)人材派遣などソフトの事業。事業内容が見えにくいが、「時代の通訳」だと思っている。

 つまり、私よりも上の方々や企業がしていることをエンドユーザーの若者たちに伝えて行くこと。とくに私どもは若者を使って文化を興す「ヤングマーケット」を得意としているので、この時代に合うような「通訳」の仕事を、アドバックスはしていると思っている。

 六法全書が分かれば弁護士は要らないし、ドイツでドイツ語を話せれば通訳はいらないが、私はそれができないので、通訳や弁護士にフィーを払って頼む。そのときのニーズに応える「時代の通訳」という形です。

 今の若者の文化にフリーターという現象があり、「よくないんじゃないか」「定職につかないと」と言われているが、フリーターで生きていくためには自分の特技がなければダメと私は見ている。若者がその特技に特化できれば、「どうして朝から晩まで、サラリーマンとして嫌な仕事をしなければならないんだ」と不満を言う人間ではなく、自分はこれが得意なんだとプライドを持っている人間がどんどん育つのではないか。政治家よりもそういう若者たちが活躍すれば、日本全体が素晴らしい国になると思う。アドバックスはそういう動きを支える会社の1つとして、社会に貢献したい。【了】

【会社概要】
商号株式会社アドバックス

設立

1992年4月
上場2000年3月(マザーズ上場:証券コード 4749)
資本金17億4961万円
売上高9億300万円(05年3月期連結)
代表取締役社長齊藤大(さいとう・だい)
従業員数14人(05年7月現在)
本社東京都千代田区五番町6−2 ホーマットホライゾン2階
電話番号03-5216-1851(代表)
URL http://www.advax.jp/


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