3日、一般公開された東京・千代田区の憲政記念館構内にある水準原点の水晶板。(撮影:宗宮隆浩)

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国土交通省国土地理院は6月3日の「測量の日」に合わせ、日本の標高の基準となる東京都千代田区の憲政記念館構内の日本水準原点を一般公開した。同原点は、ダムや高速道路建設など大規模公共事業工事の測量に使用されている。

 水準原点は、1891(明治24)年5月に作られた。東京湾の平均海面水位を6年かけて測定し、東京湾から24.5メートルの高さに設置した。しかし、1923(大正12)年の関東大震災により地盤が86ミリ沈んだため、現在は24.4140メートルを水準原点としている。工事測量への利用のほか、地盤沈下調査結果が地震予知の資料になっている。

 同原点は、高さ約25センチ、幅約5センチの水晶板で、ローマ神殿風の高さ4.3メートルの石造りの建物内にある。水晶板には、同原点の「ゼロ」を基準に上下10センチずつ目盛りが刻まれている。値が簡単に変動しないように、地下約10メートルのコンクリート製の基礎で固定してある。

 測量法が49年(昭和24)年の6月3日に公布されたことにちなみ、同地理院は3日を測量の日として、毎年この時期に公開。この日は、児童や学生らが見学に訪れ、日本のインフラ工事を支える小さな水晶板に興味深そうに見入っていた。【了】