国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗る人物が韓国政府にサイバー攻撃を仕掛けるとインターネット上で明らかにしていた問題で、韓国警察庁サイバーテロ対応センターは16日、公務執行妨害の疑いで10代の少年2人と20代の男1人を在宅のまま立件したことを明らかにした。(イメージ写真提供:(C) ostill/123RF.COM)

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 国際的ハッカー集団「アノニマス」を名乗る人物が韓国政府にサイバー攻撃を仕掛けるとインターネット上で明らかにしていた問題で、韓国警察庁サイバーテロ対応センターは16日、公務執行妨害の疑いで10代の少年2人と20代の男1人を在宅のまま立件したことを明らかにした。複数の韓国メディアが報じた。

 警察によると、17歳と14歳の少年2人と23歳の男が今年3月、「アノニマス」を名乗って動画投稿サイト「ユーチューブ」などを通じ、4月14日に大統領府や国家情報院などの政府機関にサイバー攻撃を仕掛けると予告した。

 これまでの調べで、サイバー攻撃は17歳の少年が3月1日に計画し、動画は14歳の少年が担当した。動画にはアノニマスの仮面を付けた人物が、英語で「韓国政府は税金を浪費し、メディアを統制して国民を抑圧している」などと批判する姿が写されていた。英語の不自然な部分は15歳のフィリピン人が修正していた。

 4月14日を攻撃日に指定した理由は特にないという。動画掲載後、韓国のメディアが相次ぎ報じ、別のアノニマスが関与を否定したことから、少年らは重圧を感じて攻撃を中止した。ただ17歳の少年は警察に「自分はアノニマスだ」と話しているという。

 警察の関係者は「学生の身分だが、国と社会の不安感を高め、多大な公務執行妨害、行政力の浪費を引き起こした」と指摘。「国家機関の電算網を攻撃しようとするのは重大な犯罪行為であり、被疑者を立件することにした」と説明した。

 一方、サイバー攻撃の準備に加わったフィリピン人については、フィリピンに捜査の協力を要請している。(編集担当:新川悠)(イメージ写真提供:(C) ostill/123RF.COM)