台湾、男性より女性が軍入隊に積極的  志願兵募集で

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(台北 24日 中央社)台湾では軍の志願兵の募集状況が芳しくない中、女性入隊希望者が今年も昨年同様男性より前向き姿勢をみせている。これを受け国防部では20日、女性の割合を現在の7.6%から今年末までに8.2%以上に調整したいとしており、さらには10%以上の引き上げ可能性も示唆している。

台湾での女性兵士の定員は8%が上限となっており、アメリカやフランスなどの約15%に比べると低いが、今後仮に10%以上に緩和されれば女性兵士数は現在の約1万5000人からさらに5000〜1万人増えると見込まれている。

関係筋によると今年の社会人対象の志願兵採用数2464人のうち男性1348人、女性1116人と割合はほとんど1対1に近い。去年などは女性枠800人に対して5000人余りが応募しているが、女性の入隊意欲が高い背景には軍の仕事の待遇のよさと将来性があるとみられている。

好調な女性枠の募集状況に対し、全体としては深刻な入隊希望者の不足で、軍で2015年に予定している徴兵制から志願制への完全移行は危うくなっている。昨年は定員1万5311人に対し1万1069人と獲得率72%だったが、今年7月末時点の採用数は目標2万8531人の15%にとどまっており、国防部では募集回数を増やしたり申し込み期間の延長や女性枠の拡大などで対応しようとしている。

最近も応募が伸び悩む理由の1つに、先月初め兵役中の男性が上官らの虐待を受け、除隊直前に体調を崩して死亡したとされる事件が響いているとの説がある。

(編集:荘麗玲/谷口一康)