26日にズデネク・ゼーマン監督が批判をし、翌日にワルテル・サバティーニSD(スポーツディレクター)が反論したローマだが、冷静が戻ったようだ。

サバティーニSDは29日夜、「いつもと同じ一日だった。クラブ全体で監督と会ったよ。土曜の発言に関して疑問が生じ、我々はそれを解決したいと望んだ。このチームで前進したいという意欲から来た疑問だったんだ」と語った。つまり、ゼーマン監督の続投に疑いはないということだ。サバティーニSDは「我々は完全に満足している。一緒にバトルを戦っていくよ」とつけ加えている。

つまり、和解は成立したということだ。かなりの確率で、ゼーマン監督が来季もローマの指揮官を務めることはないだろう。だがおそらく、それ以上に、ローマはふさわしい代役を見つけることができなかった。ルイス・エンリケ前監督の失敗、ゼーマン監督の困難と続き、フロントはこれ以上失敗できないことをよく分かっている。

ゼーマン監督は、クラブの雰囲気を悪くすることを避け、ローマの財産を生かし、問題は内部で解決するというクラブの要求に応じた。指揮官は29日夜、「私はシグナルを発したかった。全力で指揮を執る」と話している。

指揮官がトリゴリアを後にしたとき、幹部たちはまだ会議中だった。だが、30日もゼーマン監督はローマの指揮官としてトリゴリアに戻ってくるだろう。彼は自身の言葉と姿勢、状況を解決したいという意欲で、すべての疑問を打ち消したのだ。指揮官はさらなる支援を求めつつ、全力で指揮を執ると約束した。

フロントを納得させなければならなかったゼーマン監督だが、サポーターたちは常に彼を支えていた。続投の知らせを受けて、サポーターたちはインターネット上や地元ラジオで、同監督への信頼を示している。

MFパナギオティス・タヒツィディスやGKマウロ・ゴイコエチェアを筆頭に、議論を呼ぶチョイスもあるが、ほぼ全員がフロントに怒っている。2年にわたって2人の指揮官と2度の補強で失敗した責任があるというわけだ。何より、雇う前から気難しさや戦術への厳しさはよく分かっていたはずの指揮官を攻撃したことに怒っている。

日曜から月曜にかけて名前が浮上したゼーマン監督の後任候補たちも、サポーターから落第のらく印を押された。筆頭候補のアルベルト・マレザーニ監督は落胆と不信を呼んだ。元ローマのザーゴ氏とジュゼッペ・ジャンニーニ氏も、サポーターからのOKは得られなかった。いずれにしても、首脳陣からゼーマン続投の知らせが届いたことで、悪夢は終わった。

だが、これですべての問題が解決されるわけではない。指揮官は26日、クラブが明確なルールを設けていないことへの不満を示した。その疑問がさらに増すこととなったのだ。月曜に練習したのは、11人だけだった。日曜、ローマ近郊で仮面パーティーに参加した選手たちよりも少ない数だ。暗黒の時期を完全に打ち消すには、クラブはこういったことにも従事しなければいけないだろう。