というわけで、NPBの選手会はWBC不参加という結論を下したそうです。

この議論は荒れるのが基本なので、このブログでは参加が是か非かという話題には極力触れないようにしていましたが、結構大きな結論が出たので、ここに個人的な意見を書いておきたいとおもいます。


これは僕の個人的な主張なので、誰かにこの意見を押し付けるつもりもありませんし、僕の憶測な部分も結構入ってます。

そういうスタンスで読んでいただければ幸いです。






さて、今回の結論ですが一言でいえばお互いがお互いの正義を貫いたという印象です。互いに自分たちが正しいという判断のもとで意思を貫き、こういう結論に至ったという感じですかね。


今回の議論の争点になっているのは、日本代表のスポンサー権。

要は日本代表についているスポンサーはサッカーなどのようなシステムならば当たり前と言えば当たり前ですが、日本代表の収入としてそのままNPBに入るのが筋です。ですが、WBCのシステムでは代表のスポンサー料も一度大会の収益として吸い上げられます。

選手会の主張ではそこが理不尽だろうという考え。
確かに間違っていない。


ただ、MLB主張は違います。
「俺たちがメジャーリーガーをたくさん送り込んでいるから、WBC日本代表の価値が生まれているんでしょ」という考え方です。

確かにこれも間違っていない。

例えばの話、昨年でラスト開催になったIBAFワールドカップ。
この大会にはMLBの40人ロースターに含まれている選手は出場が許されておらず、アマチュアやマイナーリーガー、国内のプロリーグでプレーする選手で編成されたナショナルチームが世界一を目指すという形になっています。
この大会に日本代表がオールプロのオールスター編成で参戦し、世界一を目指したとして、「ワールドカップ日本代表」は「WBC日本代表」のような価値を生み出したのか?と聞かれると疑問です。
日本国内の盛り上がりもWBCには遠く及ばないんじゃないかと思われます。

「WBC日本代表」の価値はWBCという一流のメジャーリーガーが参加する大会の中で世界一を目指す「日本代表」に多くのスポンサーがついているのであって、この大会のために山ほどのメジャーリーガーを参加させている自分たちにも「WBC日本代表」の価値を高めるために大きく貢献している。
それを日本だけで独占するのはそれこそ理不尽でしょ?

というのが大会主催者(=MLB)の考えです。

こう聞いてみるとこちらも一理ある。

このお互いの「正義」をお互いに貫いた結果、こういう悲しい結末を迎えてしまったんじゃないかと思われますね。


NPBは分配金に関する要求は一切していません。
お金うんぬんではなく、日本代表のスポンサー料が大会に持ってかれてしまうというシステムの理不尽さに納得がいかなかったのでしょう。

今回の結論に対して「守銭奴」と言ってる人も多いですが、僕はそうは思いません。いや、正確に言えばそうは思いたくないです。一人のプロ野球のファンとして新井選手や宮本選手はお金ではなく自分たちの信じる正義の為にこの考えを貫いんだと思いたい気持ちが強いです。というかそうであってくれ。



ただ、NPBの信じた正義は本当に正しかったのか?と聞かれると正直疑問点しか浮かばないです。

例えば、NPBの主張に「真の世界一を決める大会を行うにはFIFAのような国際機関が主催するのが望ましい」というものがあります。

野球にはちゃんと国際野球連盟の主張する世界一を決める大会が立派にありましたよね?
前述したように野球にはIBAFワールドカップという大会がありました。

この大会に日本がトッププロを送り込んで大会を盛り上げ、メジャーリーガーにも参加するようにMLBやIBAFに働きかけを行っていたりしたら、この主張には説得力がありました。