女子レスリング五輪金メダリストの吉田沙保里選手がテレビ番組の取材を受けて、ロンドン五輪への意気込みから練習中に聴く音楽や恋愛観などを語った。2008年に119連勝がストップした時の彼女の心境は、聞く側も胸に迫るものがあるほどだ。

ロンドン五輪に出場する日本選手で、金メダルにもっとも近いとされるひとりが吉田沙保里選手だ。テレビ番組『シューイチ』のMC中山秀征が、その吉田選手の練習場を訪れてインタビューした様子が4月29日に放送された。

吉田沙保里選手といえばアテネ、北京と五輪で2大会連続で金メダルを獲得。世界選手権でも数々の金メダルを取っている。そんな彼女の強さの歴史でもあった公式戦119連勝の記録が、2008年に中国で行われた女子ワールドカップで止まったのだ。

相手は無名の選手で、吉田選手の得意とする低い位置の高速タックルが返されて敗れてしまった。彼女は「勝てるつもりで軽い気持ちでやったのがいけなかった」と当時のインタビューで涙を流しながら語っている。吉田選手は敗れた瞬間からしばらく「頭が真っ白になった」という。そんな彼女を立ち直らせたのが母親の言葉だった。「あなたは1回負けただけでしょ。これまで119人の人が同じように悔し涙を流してきたのよ」と言われて、また頑張ろうという気になったのだ。

ロンドン五輪に向けて「3連覇したい。金メダルを取りにいきます」とキッパリ宣言する今の彼女には、一切迷いは感じられない。

練習でも新たな工夫を取り入れた。これまではやらなかったが、練習中に音楽を聴くようにしたのだ。「NEWSやテゴマスをよく聞きます」と話す吉田選手に、中山が「増田くんですか?」と尋ねるとうなずいていた。増田貴久がタイプなのかもしれない。

そんな吉田選手は、恋愛について女子サッカーの澤穂希選手に相談するそうだ。「澤さんは恋愛経験も豊富で、恋愛の師匠です。的確なアドバイスをくれます」と明かしたのである。彼女は「好きになると一途にいくタイプ」という。「男性も固められたら身動き取れませんね」と中山が冗談を言うと、「恋愛ではそういうことはやりません」と笑って否定していた。

いよいよロンドン五輪まで残り90日を切ったが、今回のレスリング会場で使われるマットは柔らかくて体力を奪われやすいという。また海外大会では審判の微妙な判定もあるので難しいところだ。吉田選手も「(判定に)ムカッとすることもあるが、圧倒的な勝ち方をすればいいだけ」と割り切っている。そんなところも今回の五輪では注意して見ると試合がより楽しめそうである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)