韓国で人気のタレント、キム・グラ氏が、10年前に慰安婦を娼婦に例えた発言をしたことが発覚し、韓国中で厳しい非難が巻き起こっている。韓国メディアが16日、相次いで報道した。

 報道によると、「慰安婦侮辱発言」の証拠とされるのが、ツイッターや掲示板などで広がった音声ファイルだ。10年前の02年に、警察による売春婦の取り締まりが行われ、売春女性らが人権侵害だと抗議活動を行っていた。当時インターネットのラジオ放送に出演していたキム氏が、この状況を説明する中で「売春婦が貸切りバス2台に乗るのは、過去の挺身隊以来、久しぶりの場面」と発言したことが問題となり、今回の騒動に発展した。

 ネット上で広まっていた「慰安婦侮辱発言」が16日、韓国メディアに大きく取り上げられ、さらに波紋が広がった。韓国メディアは「衝撃的な放言が一波万波」「キムの目に慰安婦は娼婦に見えるのか」などと、主要メディアを含む多数のメディアがこぞって同話題を報じた。

 キム氏は韓国の人気バラエティ番組の司会を務めて、複数の人気番組をかけ持つ売れっ子のタレント。メディアの厳しい批判、ツイッターやブログ、掲示板などで見られるネットユーザーからの強いバッシングを受け、キム氏は16日に自粛と反省の時間が必要として出演中の番組を次々と降板した。

 その上、公式謝罪文を発表し「申し訳ない」「無知だった過去を反省し、自粛する」と謝罪の意を表明したが、韓国世論の怒りは収まる気配を見せない。ネット上では「もうテレビの顔も見たくない」「2度とテレビに出てほしくない」などと放送業界から追放すべきとの声が高まっており、永久追放を求める署名活動も行われている。(編集担当:金志秀)