南シナ海の領有権を巡る問題でフィリピンは22日、アセアン加盟国の専門家を集めた会議を開き、同海域を「非論争区域」と「論争区域」に分ける解決案を提起した。これに対して中国政府は、南沙諸島と周辺海域の領有権を主張したうえで「当事国どうしでの話し合いで解決すべき」としてフィリピンの動き反発した。中国網が伝えた。

 フィリピン政府は22日よりアセアン加盟10カ国の海事専門家を集めて初めての「アセアン海事法律専門家会議」を2日間開催した。会議にはビナイ同国副大統領が出席、「国際法に基づき、南シナ海を非論争区域と論争区域に分けることが非常に重要」と同国の考え方を述べた。

 同国の提案では、非論争地域は主権保有国が開発権を有し、論争地域は主権を主張する複数国が協力開発する。また、「各地域確定後、関係諸国は直ちに軍事武装を撤去し、民間主導で石油、天然ガス開発を行なうこと」も盛り込んだ。

 中国政府・外交部の洪磊報道官は23日の定例記者会見で質問を受けた際、「南シナ海問題は本質上、中国と周辺国家による論争だ。中国が南沙諸島および周辺海域に主権を有していることに議論の余地はない」と回答。フィリピンが中国抜きで南シナ海を分割しようとしていることに不快感を示した。(編集担当:柳川俊之)