鼠先輩
ラッセル・クロウ主演の映画『スリーデイズ』が9月23日(祝・金)から全国で公開される。クロウ演じる主人公が、殺人罪に問われて投獄された妻を救うため、脱獄を計画――。ごく普通の男が、善悪を超える問題に直面し、窮地に追い込まれるサスペンス大作だ。

2008年、ムード歌謡曲「六本木〜GIROPPON〜」でブレイクし、芸能界に強烈なインパクトを残した鼠先輩。自らを“一発屋”と称し、現在は「プー太郎みたいなもの」だという。本作の主人公と同様、15歳から付き合っている妻と子供を持つ、夫であり、父親でもある鼠先輩が、本作の中に何を見たのか。「窮鼠猫を噛む」を体現するようなヒントはあったのか、話を聞いた。

口をついて出たのは「ポッポ」ではなく、「俺だったら出来ない」という意外な言葉だった。


この格好では即逮捕!?

――映画『スリーデイズ』を観た率直な感想を教えてください。

鼠先輩:善も悪もなく、法律も関係なく、一人の男がただ愛のために突き進んでいく物語ですよね。やりたくても、俺だったら出来ないと思いました。

――鼠先輩のイメージだと勢いでやってしまいそうなのですが。

鼠先輩:勢いはあるんですけど、ここまで計算しては出来ないと思いますね。勢いだったら出来るけどね。俺だったら捕まっちゃうでしょ?

――そうですね。この格好では即逮捕ですね。

鼠先輩:俺には、嫁も、映画に出てくる子供と同じくらいの子供もいますので、俺だったらどうするかなと考えさせられました。物語では、人も殺すし、闇の世界に手を染めるし、だけど、愛のために、嫁を救うために行動しますよね。そこはやっぱり美しいな、と思いますね。法律の善悪じゃないなという。男だったら、分かっていてもやらなきゃいけない時もあるだろうし。

――映画をご覧になった中で、特にポッポした(=興奮した、印象に残った)シーンは?

鼠先輩:全部が印象的ではありますね。映画が好きで、中でもサスペンスが好きで、実は今回の作品を観る前に、結構ナメてかかっていたんですよ。でも、飽きずに観られましたね。全部のカットに意味があるのが素晴らしい。地味に金が掛かっていると思いました。

――ラッセル・クロウ演じる主人公に共感できる部分はありましたか?

鼠先輩:すべてに共感できますね。家族のために、人を殺すし、闇の世界の人間と繋がりを持って、平気で法を犯していく。大学の先生っていう地位も名誉もある普通の男が、愛のためだけに、悪いとされていることをどんどんしていくじゃないですか。でも、俺はそれを悪いとは思っていないんですよ。これはひとつの正義ですから。自分の思う正義のために突き進んでいくところは大好きですね。己の心に素直なんだな、と。嫁を最後まで信じて、愛を貫き通したところは素晴らしいと思います。今の嫁とは15歳の時から付き合っているんですけど、果たして俺には出来るだろうかと考えた時に、出来ないと思いましたね。


脱獄の経験はない

――実際に、奥さんが逮捕されたら、何をすると思いますか?

鼠先輩:裁判をしますね。でも、この主人公も上告したけどダメだったんでしょ? 上告しても無理だからな。好きな女のために自分が犯罪に手を染めることが出来るかな、と思った時に、俺だったら無理だと思った。なかなか一般的に出来ることではないですよね。

――では、とことん裁判で戦う?

鼠先輩:それしかないですね。だって、日本の刑務所から脱獄するなんて無理ですもん。

――それは経験からですか?

鼠先輩:経験じゃなくて。経験があったら、取材は受けていないですよ。格好だけは経験があるように見えるけど、経験があったらテレビなんて出られませんね。

――そうですよね。

鼠先輩:日本の刑務所から脱獄するのは絶対に無理でしょうね。ブラジルの刑務所から時々、脱獄していますけどね。日本は、そんな鳥小屋みたいな刑務所ではないですからね。ただ、やってみたいな、とは思いますけどね。

――やってみたい?

鼠先輩:『大脱走』とか、脱獄ものの映画でよくあるじゃないですか。スリリングですよね。知らない世界ですから、観ていてすごくドキドキしますよね。


『スリーデイズ』

映画『スリーデイズ』

鼠先輩が“ポッポ”した映画『スリーデイズ』(9月23日公開)。公式サイトでは、予告編動画や作品を楽しむためのポイントが紹介されています。男は実行する――。冤罪で収監されている妻を、幸せだった家族を取り戻すために。タイムリミットは3日。それは限りなく不可能な脱獄計画。
http://threedays.gaga.ne.jp/