韓国でアップルに賠償命令…専用ホームページも開設され集団訴訟に発展か

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アップルがiPhoneユーザーの位置情報を収集し記録していたとされる問題で、韓国ではアップルを相手取った大規模な集団訴訟の動きが出始めているようだ。

韓国メディア「国民日報」によると、慶尚南道昌原にある法律事務所「miraelaw」に所属するキム・ヒョンシク弁護士（３６）は１４日、インターネット上でアップルの位置情報収集被害訴訟参加団を募集すると発表した。

これに先立ち、キム弁護士は「アップルの位置情報技術により私生活を侵害された」としてアップルの韓国法人「アップルコリア」を相手取り慰謝料１００万ウォン（約7万5000円）の支払いを求め提訴。昌原地裁は６月２７日、アップルコリアに銀行手数料2000ウォンを除いた99万8000ウォン（7万4600円）の支払いを命じている。

「miraelaw」は１４日にホームページ上で訴訟参加手続きを案内し、専用受付けサイトもオープン。しかし、アクセスが殺到したため現在は閉鎖となっている。関係者は「（訴訟参加手続きを開始したという）話が伝わり、接続者が急増したのでサイトを一旦閉じた。電話による問い合せもストップしている」「来週中にも関連広告を再び掲載し、正式に参加団を募る」と説明している。

キム弁護士は、「iPhoneの位置情報収集は先端技術を利用した消費者の権利侵害の危険性を端的に表している事件で、責任を厳しく追及する必要がある」と語り、集団訴訟に意欲を見せている。

現在、韓国のiPhone利用者は約300万人。すべての利用者がアップルコリアに100万ウォンの慰謝料を求めた場合、総額３兆ウォン（約2246億円）に達するという。韓国のiPhoneユーザーは今回の裁判結果に高い関心を示しており、14日にサイトがオープンし閉鎖されるまでの間だけでも、訴訟参加登録をした人は１万1000人に上る。うち訴訟手続きの費用1万6900ウォン（約1260円）まで支払った人は1000人という。

しかし、キム弁護士が起こした訴訟ではアップルに慰謝料の支払いが命じられたものの、これはアップル側が特に何も対応しなかったことから出た結果。今後、訴訟規模が大きくなれば、アップル側が対応にでる可能性は十分に考えられるため、韓国内では集団訴訟に乗り出しても結果は期待できないとの見方もあるようだ。


参照：「接続者暴走でホームページ閉鎖」iPhone位置情報集団訴訟で大騒ぎ - 国民日報
参照：iPhone集団訴訟、位置慰謝料３兆ウォン「私も訴訟してみるかな？」 - ニュースウェーブ
参照：訴訟参加手続き専用サイト

（文：林由美）

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