新華社が運営するニュースサイト「新華網」、中国新聞社の「中国新聞網」、大手ポータルサイト「新浪網」などは22日までに、「世界各国は法にもとづき、インターネットを監督・管理している」などと題する特集頁を掲載した。中国当局がインターネットの情報を検閲・干渉しているとの批判に対抗するキャンペーンと考えられる。

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 新華社が運営するニュースサイト「新華網」、中国新聞社の「中国新聞網」、大手ポータルサイト「新浪網」などは22日までに、「世界各国は法にもとづき、インターネットを監督・管理している」などと題する特集頁を掲載した。中国当局がインターネットの情報を検閲・干渉しているとの批判に対抗するキャンペーンと考えられる。

 特集ページでは、各国のインターネットに対する規制を紹介する記事が紹介されている(写真は中国新聞社の該当ページ)。日本については光明日報が4月20日付で掲載した、「日本も立法措置によりインターネットの監督を強化」との記事をリンクした。

 同記事は日本の内閣が3月11日、「サイバー犯罪法案(別名:コンピュータ監視法案)」と呼ばれる刑法などの改正法案が閣議決定されたことを、1カ月以上経過してから詳細に伝えた。

 日本国内では同法案に対して「憲法で保障される通信の秘密を侵しかねない」との批判の声も相当にあるが、中国メディアは「多くの人は、増え続けるインターネットがらみの犯罪を抑制するのに有益だと考えている」、「批判的なのは一部の業界関係者」と、一方的に決めつけた。日本におけるネット絡みの犯罪に力を入れて紹介し、「憲法で保障される通信の秘密」など、国民に保障されている自由と権利の問題には触れていない。

 記事は「日本政府は、法律体系を完成し、完成度をさらに高めていくことによってのみ、日本のインターネットーユーザーの正常な使用環境を維持することができる」と結論づけた。

 特集ページは、米、仏、英、独、スウェーデン、イタリア、韓国などの政府が進めている「インターネットの監視と管理」をそれぞれ紹介した。

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◆解説◆ 同キャンペーンは、複数の主要サイトがほぼ同時に始めたことから、当局の主導によるものと考えてよい。国外の批判に直接対抗するよりも、国内向けに「わが国のインターネット規制は、世界的にみても常識的なもの」と宣伝する意味合いが強いと思われる。

 中東に始まった「ジャスミン革命」の影響で、中国でも民主化要求の動きが見られることに対して、自由化をそれほど強く求めているわけではない層を、政府支持に誘導する目的も感じられる。(編集担当:如月隼人)



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