アジアカップ2011日本代表総括:「いまこそ結果には目を瞑れ」
勝利のあとには、反省が必要です!
アジアカップ制覇に日本列島が沸き返った週末。僕自身もテレビにかじりつき、現地のことを想いながら、大いに吠え、大いに燃えました。代表チームへの感謝、スタッフ諸氏へのねぎらい、そうした温かい感情で満たされていました。
(以下、サッカーライター風で)
しかし、優勝しても、アジアを制してもやっぱり僕は喜ぶ気になれずにいるのです。結果より場外。サッカー以外のものへの関心の方が勝るからです。現在より今後の悪ふざけへの関心が勝るからです。究極の選択として言わせてもらえば、日本が勝利するシーンより、しょーもない悪ふざけをする瞬間が見たいのです。
というわけで、採点です。
GK川島 5.5
真剣に守りすぎ。頼りがいありすぎ。ドヤ顔の凄まじさは増したが、あのテンションの試合ではお茶の間も笑うどころではない。吉田麻也に暴露された、優勝カップでポカリを飲む芸などをフィールドで表現していれば、あと0.5点は足せる。リールスでは相当なお笑い守備をしているという話なので、今後はその経験を代表でも活かしてもらいたい。
DF今野 5.0
MVP表彰で「俺が俺が」と前に出そうになった瞬間は「オッ、伸びてきたな」と思わされたが、遠藤保仁の差し金と聞いて落胆。ワールドカップ後の「集まれー!」も結局は無理やりやらされたモノマネであり、進歩が見られない。それどころか帰国後の「すぽると!」出演時には「集まれー!」の声が小さくなるなど後退の感すら漂う。「NEWS23クロス」に出演する李忠成に「何か面白いことやれ」と雑なフリをしたのにいたっては、笑いに取り組む姿勢そのものを問いただしたいところ。他人にフラれる前に自分でトライする積極性を学んでほしい。
DF長友 4.5
真剣に走る姿を見て、どう笑えというのか。試合終了後に香川のユニフォームを持って走る姿など、普通に感動してしまいそうになる。挙句にインテル入りとはサッカー部分に力を入れすぎの感が強い。基本は顔芸で笑いを取るタイプだと思うが、ゴリラのマネなどはFIFA的にもお薦めできない。まずは中華麺屋のオヤジのようなナマズヒゲを完成させることに期待したい。
DF吉田 5.0
試合中の採点でいえば3.5相当の低さ。ただ、ロッカールームの中継を行うなどブログ芸の部分で1.5点をおまけした。大会中盤までのオウンゴールまがい、自分で同点弾、退場劇などの勢いは、決勝にきて失速した感は否めない。
DF内田 6.0
「何故ここにいるんだろう?」「蹴ったボールが一番手前の人間に必ず当たるのはどうして?」「鳩尾でボールを受けて悶絶!」など、オフ・ザ・ボールの見逃せない動きでチームを活性化。前半終了間際あたりに、執拗に「俺フリー!」「こっちこっち!」「ボールくれ!」とアピールしたのに、チーム全体から無視された瞬間はいい味を出していた。
MF遠藤 6.0
試合部分では硬軟長短織り交ぜたパスワークで試合をコントロール。しかし、本領を発揮したのは試合後。表彰式での変幻自在…好き勝手な動きは「そうか、年齢的に誰も注意できないのか」と視聴者をも唸らせるもの。表彰台を支配したその能力に、末永い現役生活を祈らずにはいられない。
MF長谷部 3.5
お笑い部分について率直に言うと「クソつまらん」としか表現できない。ただただサッカーをしにきていた印象。真面目、本気、熱い、向上心の塊。アジア制覇直後のインタビューで「所詮アジアレベルなんで」と上を向く姿には、見てるこっちが疲れる。ただ翌日からのスポーツ新聞一面などで、キャプテン長谷部がカップを掲げる場面ではなく本田△がカップを掲げる場面の写真が使われるという、ないがしろにされてる感はクスッとくる。いっそ長谷部にはカップを絶対に渡さないなど、いじられキャラを確立してほしい。
MF藤本 6.0
ハーフタイム中、日本中のサッカーおやじ・サッカーおばさんたちに、「藤本の代わりに誰を入れるか」という論議を巻き起こした点ではインパクト大。中央でフラフラ、サイドでフラフラ、突然真ん中に入ってきたかと思えば誰にも気づいてもらえないなど、右SB内田とともにスラップスティックな笑いを喚起した。
MF本田△ 5.5
自分をカッコよく見せようと頑張って演出している姿そのものに思わず笑みがこぼれる。李忠成の決勝点の場面では、豪快なラリアットを放った末、盛大にすっ転び体を張って笑いを取った。普通に本人も感動してしまったのか、試合後のインタビューでの発言が大人しめだったのは今後の課題。
MF岡崎 6.0
完全に偶発的なものだがテレビ朝日中継内での「岡崎57歳」というテロップは笑いのテロ行為。スーパースローでイイ顔が流れるたび、元気なお爺ちゃんに見えてしまうなど、安定して笑いを取った。
FW前田 4.0
試合終了後、ピッチ解説の名波浩さんと熱く抱き合う姿に不覚にもウルッとさせられた。岡崎慎司とともに、執拗に相手DFの背後からニアサイドに飛び込む動きを繰り返したことが、決勝点の場面での相手の異常なニア警戒につながったのかな…などと考えると、まったく笑えない。スーパースローで顔面の皮膚が微妙にブヨブヨ動いたり、表彰式でチームスタッフより後ろに無表情で突っ立つ姿など、シュールな笑いの予感はある。早くチームに溶け込んでほしい。
※交替選手
DF岩政 5.5
決勝戦では後半から出場しオーストラリアの攻撃を封殺。「基本セーフティ」を徹底しているのか、つなげそうなボールでも惜しげもなく蹴り出し、相手にCKやスローインをバンバン与える姿は、安定感ある笑いを生んだ。ただ、このポジションはお笑い大王・田中との競争が待ち受けている。そういう意味では、ようやくスタートラインに立っただけという印象。試合後のインタビューで「韓国戦の経験を活かさなかったらバカですよ」などとナイスコメントを残したが、この発言を前フリにしてもう一回やらかしていれば、ドッカンドッカン大爆笑が取れたはず。帰国後「報道ステーション」に出演した際は若干の固さが見えたので、「関東近辺の選手だから呼ばれただけですよ」と周囲がリラックスさせてあげてほしかった。
FW李 6.5
何故かゴール真ん前で孤立している姿は、今思い返しても噴き出すレベル。仲間たちは口をそろえて「チームが一丸となっていた」「チームのために頑張った」「みんなで分かち合いたい」と話す横で、「俺がヒーローになると思っていた!」「Youtubeで自分のゴールを朝まで見ていた」「100回は見た!」と言い放つあたりに、相当な孤立力を感じる。あのボレーを枠外に飛ばしていれば「トラップしろ!」「ふざけんな!」「帰ってくんな!」と日本国全体から孤立できたであろうことが心残り。しばらくはテレビ出演バブルがつづくと思われるので、いい意味でも悪い意味でも今後に期待。
DF伊野波 4.5
出場時間が短すぎるため得点は伸びなくても仕方ない。しかし、伊野波投入の瞬間「森脇出ねぇんだwww」というひと笑いが起きたことは、記憶にとどめておきたい。
監督ザッケローニ 5.5
スーパースローで抜かれるたびに派手なアクションで魅せた。パラパラ風の踊りを披露した場面などは、試合を忘れて見入るレベル。今後はカタコトという特徴を活かして、ダイアゴナルだのトレクァルティスタだのとワケのわからん言葉を使う解説者・記者連中に「オウベイカ!」と突っ込んでもらいたい。
※不出場選手
GK西川 4.0
試合にも出ず、取り立てて何もしていなかったようなので、本来なら得点はさらに低い。ただ、李や森脇らの動きを見ていると一緒によからぬことを考えていた疑いが濃厚なため、「どうせ何かしてるだろ」「カメラに映ってないだけで」「この面白一味が」という期待感を採点に込めた。
GK権田 5.5
何度思い返してもいたのかいなかったのかわからない。町ですれちがうオジサン・オバサンにも、まさかあの歓喜の輪の中にいたとは思ってもらえないだろう。下手したらユニフォームだけが登場した槙野・酒井両名の方が、「説明つきなら」わかってもらえる可能性がある。そこまで考えたらちょっと面白くなった。
DF永田 5.0
試合中はまったく存在感を示せず。ただ、李忠成が明かしたところによると、決勝点のあと前日子どもが生まれた永田のもとに駆け寄りゆりかごダンスをする予定があったとのこと。しかしその計画は本田△のラリアット、岡崎のラグビー式タックルなどで阻止された。将来生まれた子どもがこの話を聞いたときの「えぇっ…」というガッカリ感を思うと、ちょっと笑みがこぼれる。
MF細貝 5.0
決勝戦では取り立てて活躍はなかったが、韓国戦での得点などで注目度はそれなりに高い。中途半端に注目されたことで、「モエちゃん頑張ったね」「モエくん素敵」「モエー!」と全国にファンが増えているのだろうなぁ…と考えるとニヤニヤしてしまう。
MF本田拓 4.0
試合終了後、タイミングよくカメラに抜かれる場面があったが、普通に仲間を出迎えてしまいチャンスを逃した。韓国戦で戦犯寸前となった際「いやー、まじ危なかったですよぉ」とコメントしたゆるーいノリを何とか笑いに活かしてほしい。全国のメディアに「本田圭」と1文字余計に書かせているぶんの何かを、代表チームで残したい。
MF柏木 6.0
表彰式では優勝記念ボードの前に寝転ぶなど奮闘。翌日以降の特番でも「ベンチで腐っている柏木をザックが上手く励ました。さすがザック」と、ザック監督を持ち上げるダシにされるなどイイ味を出した。大会期間中に長友と香川が少女時代にハマっている様子をYoutubeで暴露するなど、「さすがID:unkomonogatari」「この面白一味が」「サッカーの上手いブロガー」と世間の評価は上昇中。
と、各選手のサッカー部分を無視した採点を行ってまいりましたが、もうひとり残っているアレ。今大会お笑い部分のMVPについて、遅ればせながらチェックしていきましょう。
◆アジアカップ2011、お笑い部門MVPは森脇良太さんです!
DF森脇 8.0
第3GKの権田とともに、今大会全試合で出場ナシという栄誉を勝ち取った。2006年ワールドカップでは遠藤保仁が、2010年ワールドカップでは岩政大樹が勝ち取ったこの栄誉は、お笑い部門の登竜門。特に今大会は3週間6試合という長丁場であり、かつDFの退場、攻撃的選手の離脱などがありながらも最後まで起用されなかったことは特筆に価する。
そもそも酒井が離脱したことでの代役招集ではあったが、決勝戦の最後に時間稼ぎで入れる交代は、正直DFなら誰でもよかったんじゃないかという想いは拭い去れない。伊野波投入のボードが掲げられたときには、「そうきたか」「森脇お疲れ!」「ベンチの支配者!」とお茶の間もドッと沸いたもの。
ただ、そうした不遇に負けず、むしろベンチで生き生きしていたあたりが今回のMVP受賞につながった。ザックの手腕を過剰に持ち上げるメディアなら「ベンチにムードメーカーを置く采配」「適正を見極めた」「さすがザック」と言い出してもおかしくないレベルで、ベンチの空気を盛り上げた貢献は大きい。一般に「サポーターの番号」とされる背番号12を与えのも、こうした活躍を予見してのことかもしれない。
おかしな判定があればテクニカルエリアの最前列まで飛び出して抗議をする控え。出場選手よりも早く得点者に抱きつく控え。新聞の一面に載ってしまい「誰?」と世間を戸惑わせる控え。本当に1分も出ていないのかと記録を確かめてしまうほど世間に印象を残した。走行距離・プレー位置を示すヒートマップが、何故森脇のぶんが記録されていないのかが口惜しい。
これまで出場できなかった鬱憤を晴らすように、表彰式では余計な大ブレイク。インテルの左サイドバックが表彰台の隅っこに立つ中で、威風堂々中央に屹立。キャプテン長谷部がカップを掲げた際には前にしゃしゃり出てきて、小躍りを開始。続いて遠藤がカップを掲げた際にも、しゃしゃり出てきてすっ転び、世界中のカメラマンをイラッとさせた。
その後、3番目で優勝カップを掲げるにいたっては、「えっ!?」「勝手に触るなよ…」「整理券23番だぞ…」と視聴者も絶句。優勝ボードの前での記念撮影の段では、おそらく内田から取り上げたと思われる個人用優勝カップを両手に持ち、チームの音頭を取って「オッオッオッオッ!」の雄叫び。この大活躍により、サッカー専門紙「エルゴラッソ」の一面を飾ることとなった。
しかし、ムードメーカー以外の部分でも森脇はチームに貢献。ハーフタイムには水を運ぶなど、裏方仕事でも活躍。「チームには荷物運びが必要だ」「荷物を持たせるなら森脇」「もうひとつ持てるか?」と高い評価を集め、今後の飛躍が期待される。成田空港に帰国した際、優勝カップを運ばされていた姿には、「いつかこの男にワールドカップを運ばせたい」と思わず目がうるんだ。将来の佐川急便SCへの移籍を見越して、今後も積極的に荷物を運んでもらいたい。
↓森脇良太(背番号12)の動きが気になる表彰式動画
森脇さん!次は別のものを運ぶ場面で僕をワクワクさせてください!
アジアカップ制覇に日本列島が沸き返った週末。僕自身もテレビにかじりつき、現地のことを想いながら、大いに吠え、大いに燃えました。代表チームへの感謝、スタッフ諸氏へのねぎらい、そうした温かい感情で満たされていました。
(以下、サッカーライター風で)
しかし、優勝しても、アジアを制してもやっぱり僕は喜ぶ気になれずにいるのです。結果より場外。サッカー以外のものへの関心の方が勝るからです。現在より今後の悪ふざけへの関心が勝るからです。究極の選択として言わせてもらえば、日本が勝利するシーンより、しょーもない悪ふざけをする瞬間が見たいのです。
GK川島 5.5
真剣に守りすぎ。頼りがいありすぎ。ドヤ顔の凄まじさは増したが、あのテンションの試合ではお茶の間も笑うどころではない。吉田麻也に暴露された、優勝カップでポカリを飲む芸などをフィールドで表現していれば、あと0.5点は足せる。リールスでは相当なお笑い守備をしているという話なので、今後はその経験を代表でも活かしてもらいたい。
DF今野 5.0
MVP表彰で「俺が俺が」と前に出そうになった瞬間は「オッ、伸びてきたな」と思わされたが、遠藤保仁の差し金と聞いて落胆。ワールドカップ後の「集まれー!」も結局は無理やりやらされたモノマネであり、進歩が見られない。それどころか帰国後の「すぽると!」出演時には「集まれー!」の声が小さくなるなど後退の感すら漂う。「NEWS23クロス」に出演する李忠成に「何か面白いことやれ」と雑なフリをしたのにいたっては、笑いに取り組む姿勢そのものを問いただしたいところ。他人にフラれる前に自分でトライする積極性を学んでほしい。
DF長友 4.5
真剣に走る姿を見て、どう笑えというのか。試合終了後に香川のユニフォームを持って走る姿など、普通に感動してしまいそうになる。挙句にインテル入りとはサッカー部分に力を入れすぎの感が強い。基本は顔芸で笑いを取るタイプだと思うが、ゴリラのマネなどはFIFA的にもお薦めできない。まずは中華麺屋のオヤジのようなナマズヒゲを完成させることに期待したい。
DF吉田 5.0
試合中の採点でいえば3.5相当の低さ。ただ、ロッカールームの中継を行うなどブログ芸の部分で1.5点をおまけした。大会中盤までのオウンゴールまがい、自分で同点弾、退場劇などの勢いは、決勝にきて失速した感は否めない。
DF内田 6.0
「何故ここにいるんだろう?」「蹴ったボールが一番手前の人間に必ず当たるのはどうして?」「鳩尾でボールを受けて悶絶!」など、オフ・ザ・ボールの見逃せない動きでチームを活性化。前半終了間際あたりに、執拗に「俺フリー!」「こっちこっち!」「ボールくれ!」とアピールしたのに、チーム全体から無視された瞬間はいい味を出していた。
MF遠藤 6.0
試合部分では硬軟長短織り交ぜたパスワークで試合をコントロール。しかし、本領を発揮したのは試合後。表彰式での変幻自在…好き勝手な動きは「そうか、年齢的に誰も注意できないのか」と視聴者をも唸らせるもの。表彰台を支配したその能力に、末永い現役生活を祈らずにはいられない。
MF長谷部 3.5
お笑い部分について率直に言うと「クソつまらん」としか表現できない。ただただサッカーをしにきていた印象。真面目、本気、熱い、向上心の塊。アジア制覇直後のインタビューで「所詮アジアレベルなんで」と上を向く姿には、見てるこっちが疲れる。ただ翌日からのスポーツ新聞一面などで、キャプテン長谷部がカップを掲げる場面ではなく本田△がカップを掲げる場面の写真が使われるという、ないがしろにされてる感はクスッとくる。いっそ長谷部にはカップを絶対に渡さないなど、いじられキャラを確立してほしい。
MF藤本 6.0
ハーフタイム中、日本中のサッカーおやじ・サッカーおばさんたちに、「藤本の代わりに誰を入れるか」という論議を巻き起こした点ではインパクト大。中央でフラフラ、サイドでフラフラ、突然真ん中に入ってきたかと思えば誰にも気づいてもらえないなど、右SB内田とともにスラップスティックな笑いを喚起した。
MF本田△ 5.5
自分をカッコよく見せようと頑張って演出している姿そのものに思わず笑みがこぼれる。李忠成の決勝点の場面では、豪快なラリアットを放った末、盛大にすっ転び体を張って笑いを取った。普通に本人も感動してしまったのか、試合後のインタビューでの発言が大人しめだったのは今後の課題。
MF岡崎 6.0
完全に偶発的なものだがテレビ朝日中継内での「岡崎57歳」というテロップは笑いのテロ行為。スーパースローでイイ顔が流れるたび、元気なお爺ちゃんに見えてしまうなど、安定して笑いを取った。
FW前田 4.0
試合終了後、ピッチ解説の名波浩さんと熱く抱き合う姿に不覚にもウルッとさせられた。岡崎慎司とともに、執拗に相手DFの背後からニアサイドに飛び込む動きを繰り返したことが、決勝点の場面での相手の異常なニア警戒につながったのかな…などと考えると、まったく笑えない。スーパースローで顔面の皮膚が微妙にブヨブヨ動いたり、表彰式でチームスタッフより後ろに無表情で突っ立つ姿など、シュールな笑いの予感はある。早くチームに溶け込んでほしい。
※交替選手
DF岩政 5.5
決勝戦では後半から出場しオーストラリアの攻撃を封殺。「基本セーフティ」を徹底しているのか、つなげそうなボールでも惜しげもなく蹴り出し、相手にCKやスローインをバンバン与える姿は、安定感ある笑いを生んだ。ただ、このポジションはお笑い大王・田中との競争が待ち受けている。そういう意味では、ようやくスタートラインに立っただけという印象。試合後のインタビューで「韓国戦の経験を活かさなかったらバカですよ」などとナイスコメントを残したが、この発言を前フリにしてもう一回やらかしていれば、ドッカンドッカン大爆笑が取れたはず。帰国後「報道ステーション」に出演した際は若干の固さが見えたので、「関東近辺の選手だから呼ばれただけですよ」と周囲がリラックスさせてあげてほしかった。
FW李 6.5
何故かゴール真ん前で孤立している姿は、今思い返しても噴き出すレベル。仲間たちは口をそろえて「チームが一丸となっていた」「チームのために頑張った」「みんなで分かち合いたい」と話す横で、「俺がヒーローになると思っていた!」「Youtubeで自分のゴールを朝まで見ていた」「100回は見た!」と言い放つあたりに、相当な孤立力を感じる。あのボレーを枠外に飛ばしていれば「トラップしろ!」「ふざけんな!」「帰ってくんな!」と日本国全体から孤立できたであろうことが心残り。しばらくはテレビ出演バブルがつづくと思われるので、いい意味でも悪い意味でも今後に期待。
DF伊野波 4.5
出場時間が短すぎるため得点は伸びなくても仕方ない。しかし、伊野波投入の瞬間「森脇出ねぇんだwww」というひと笑いが起きたことは、記憶にとどめておきたい。
監督ザッケローニ 5.5
スーパースローで抜かれるたびに派手なアクションで魅せた。パラパラ風の踊りを披露した場面などは、試合を忘れて見入るレベル。今後はカタコトという特徴を活かして、ダイアゴナルだのトレクァルティスタだのとワケのわからん言葉を使う解説者・記者連中に「オウベイカ!」と突っ込んでもらいたい。
※不出場選手
GK西川 4.0
試合にも出ず、取り立てて何もしていなかったようなので、本来なら得点はさらに低い。ただ、李や森脇らの動きを見ていると一緒によからぬことを考えていた疑いが濃厚なため、「どうせ何かしてるだろ」「カメラに映ってないだけで」「この面白一味が」という期待感を採点に込めた。
GK権田 5.5
何度思い返してもいたのかいなかったのかわからない。町ですれちがうオジサン・オバサンにも、まさかあの歓喜の輪の中にいたとは思ってもらえないだろう。下手したらユニフォームだけが登場した槙野・酒井両名の方が、「説明つきなら」わかってもらえる可能性がある。そこまで考えたらちょっと面白くなった。
DF永田 5.0
試合中はまったく存在感を示せず。ただ、李忠成が明かしたところによると、決勝点のあと前日子どもが生まれた永田のもとに駆け寄りゆりかごダンスをする予定があったとのこと。しかしその計画は本田△のラリアット、岡崎のラグビー式タックルなどで阻止された。将来生まれた子どもがこの話を聞いたときの「えぇっ…」というガッカリ感を思うと、ちょっと笑みがこぼれる。
MF細貝 5.0
決勝戦では取り立てて活躍はなかったが、韓国戦での得点などで注目度はそれなりに高い。中途半端に注目されたことで、「モエちゃん頑張ったね」「モエくん素敵」「モエー!」と全国にファンが増えているのだろうなぁ…と考えるとニヤニヤしてしまう。
MF本田拓 4.0
試合終了後、タイミングよくカメラに抜かれる場面があったが、普通に仲間を出迎えてしまいチャンスを逃した。韓国戦で戦犯寸前となった際「いやー、まじ危なかったですよぉ」とコメントしたゆるーいノリを何とか笑いに活かしてほしい。全国のメディアに「本田圭」と1文字余計に書かせているぶんの何かを、代表チームで残したい。
MF柏木 6.0
表彰式では優勝記念ボードの前に寝転ぶなど奮闘。翌日以降の特番でも「ベンチで腐っている柏木をザックが上手く励ました。さすがザック」と、ザック監督を持ち上げるダシにされるなどイイ味を出した。大会期間中に長友と香川が少女時代にハマっている様子をYoutubeで暴露するなど、「さすがID:unkomonogatari」「この面白一味が」「サッカーの上手いブロガー」と世間の評価は上昇中。
と、各選手のサッカー部分を無視した採点を行ってまいりましたが、もうひとり残っているアレ。今大会お笑い部分のMVPについて、遅ればせながらチェックしていきましょう。
◆アジアカップ2011、お笑い部門MVPは森脇良太さんです!
DF森脇 8.0
第3GKの権田とともに、今大会全試合で出場ナシという栄誉を勝ち取った。2006年ワールドカップでは遠藤保仁が、2010年ワールドカップでは岩政大樹が勝ち取ったこの栄誉は、お笑い部門の登竜門。特に今大会は3週間6試合という長丁場であり、かつDFの退場、攻撃的選手の離脱などがありながらも最後まで起用されなかったことは特筆に価する。
そもそも酒井が離脱したことでの代役招集ではあったが、決勝戦の最後に時間稼ぎで入れる交代は、正直DFなら誰でもよかったんじゃないかという想いは拭い去れない。伊野波投入のボードが掲げられたときには、「そうきたか」「森脇お疲れ!」「ベンチの支配者!」とお茶の間もドッと沸いたもの。
ただ、そうした不遇に負けず、むしろベンチで生き生きしていたあたりが今回のMVP受賞につながった。ザックの手腕を過剰に持ち上げるメディアなら「ベンチにムードメーカーを置く采配」「適正を見極めた」「さすがザック」と言い出してもおかしくないレベルで、ベンチの空気を盛り上げた貢献は大きい。一般に「サポーターの番号」とされる背番号12を与えのも、こうした活躍を予見してのことかもしれない。
おかしな判定があればテクニカルエリアの最前列まで飛び出して抗議をする控え。出場選手よりも早く得点者に抱きつく控え。新聞の一面に載ってしまい「誰?」と世間を戸惑わせる控え。本当に1分も出ていないのかと記録を確かめてしまうほど世間に印象を残した。走行距離・プレー位置を示すヒートマップが、何故森脇のぶんが記録されていないのかが口惜しい。
これまで出場できなかった鬱憤を晴らすように、表彰式では余計な大ブレイク。インテルの左サイドバックが表彰台の隅っこに立つ中で、威風堂々中央に屹立。キャプテン長谷部がカップを掲げた際には前にしゃしゃり出てきて、小躍りを開始。続いて遠藤がカップを掲げた際にも、しゃしゃり出てきてすっ転び、世界中のカメラマンをイラッとさせた。
その後、3番目で優勝カップを掲げるにいたっては、「えっ!?」「勝手に触るなよ…」「整理券23番だぞ…」と視聴者も絶句。優勝ボードの前での記念撮影の段では、おそらく内田から取り上げたと思われる個人用優勝カップを両手に持ち、チームの音頭を取って「オッオッオッオッ!」の雄叫び。この大活躍により、サッカー専門紙「エルゴラッソ」の一面を飾ることとなった。
しかし、ムードメーカー以外の部分でも森脇はチームに貢献。ハーフタイムには水を運ぶなど、裏方仕事でも活躍。「チームには荷物運びが必要だ」「荷物を持たせるなら森脇」「もうひとつ持てるか?」と高い評価を集め、今後の飛躍が期待される。成田空港に帰国した際、優勝カップを運ばされていた姿には、「いつかこの男にワールドカップを運ばせたい」と思わず目がうるんだ。将来の佐川急便SCへの移籍を見越して、今後も積極的に荷物を運んでもらいたい。
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