カタール戦で「開始20分に気をつけろ」とアドバイスしてきたジャーナリストがいる。ドーハに本社を置く、アルジャジーラのスポーツウェブサイトを担当するシニア・ジャーナリスト、アハメド・エルネフィキィ氏だ。予想は的中し、日本は苦戦を強いられた。そのエルネフィキィ氏は日本とオーストラリアの決勝をこう予想する。

「オーストラリアはとてもディフェンスが強いチームです。彼らの得点パターンはその守備力を生かしたものです。つまり、相手の攻撃をしっかり受け止めて、しかる後にカウンターで反撃する。ウズベキスタンとの試合の得点を分析すると、そのことが如実にわかるでしょう」

「ですが、オーストラリアが完ぺきなチームというわけではありません。オーストラリアがこの大会で苦戦した試合を調べれば、どうすれば優位に立てるかわかります」

「オーストラリアがこの大会で勝ったものの1点しか奪えなかったのは、グループリーグのバーレーン戦、それから準々決勝のイラク戦です。バーレーン戦は引き分けでもオーストラリアが次のステージに進出できるという優位な状況だったので、あまり参考になりません。注目すべきはイラク戦です」

「イラク戦は0-0のまま延長戦に突入し、118分にキューウェルの決勝点が決まりました。どうしてそこまでもつれたか。それはイラクが守ったからです」

「オーストラリアが引いても、イラクはなかなか前に出てきませんでした。そのためオーストラリアが得意とするカウンターのチャンスがなかったのです。つまり、オーストラリアに対しては不用意に攻めてはならないということです」

「オーストラリアは先制し、相手が攻めに出たときにカウンターという自分たちの特長を生かします。だから日本は先制点を奪われてはなりません。前半を終えて無失点という展開が日本にとって理想的です。そしてオーストラリアが前に出てきたら、日本の攻撃がオーストラリアの守備を突破することができるでしょう。前半失点しないことにこそ日本の勝機があると思います」

――では、どちらが勝つと思いますか。
「(即座に)日本。いい試合を期待しています」

現地レポート/森雅史