17日に行われた国際親善試合、イタリア対ルーマニアの試合は、1−1のドローに終わった。

チェーザレ・プランデッリ監督は試合後、「前半は相手がとてもアグレッシブだった。後半は我々がよりうまくやれる可能性を手にしたね。チームは素晴らしいキャラクターを示したよ。終盤に追いついてからも、我々は勝利を目指した」と語った。また、デビュー戦となった選手たちについては、「特にパーソナリティーという点で、ちょっと彼らは苦戦したね」とコメントしている。

オーストリアで行われた一戦だが、FWマリオ・バロテッリにはイタリアのウルトラスから、「黒人のイタリア人はいない」という人種差別チャントが浴びせられた。「他民族のイタリアはいらない」という横断幕も掲げられ、プランデッリ監督は「落胆しているし、怒っている」とコメント。次のように続けた。

「いろいろ議論され、いつも結局同じことが起こる。何か特別なことをしたいが、我々には力がない。ただ、彼には我々全員が愛情を持っていることを分かっていてもらいたい。私は彼を抱きしめたし、次も全員で抱きしめるよ」

一方、バロテッリは「オレたちはすでに多民族だ」と主張している。

「オレたちイタリアはすでに多民族国家だよ。たぶん、あそこにいるヤツらは気づいていないだろうけどな。でも今、オレはイングランドでプレーしているから、イタリアでの話題がオレの彼女のことじゃなく、こういう問題であれば良いと思っているよ」

「ブーイングは辛いけど、オレはそれで試合を止めるのも正しくないと思っている。プランデッリの抱擁? 素晴らしいね。オレは(差別をする)ヤツらを無視したい。別にヤツらのことは知らないし、本当に辛い侮辱というのは、自分のことを知っていて、自分のことを愛してくれる人からのものだ」

「今回のオレは悪くない。誰もオレが挑発したなんて言えないはずだ。君らに判断を任せるよ。オレは怒っているし、悔しく思っている」

アルゼンチン出身のMFクリスティアン・レデスマは、「何度も言っているけど、僕は自分が完全なイタリア人だと思っている。自分がここ(代表)にいるのは正しいことだ」とコメント。MFアルベルト・アクイラーニは「イタリアには人種差別の問題がある。それを認める必要があるよ」と述べ、DFフェデリコ・バルザレッティは「まるで10年前に戻ったかのようだ…」と語った。FWファビオ・クアリアレッラは「ゴールはもちろんマリオに」と、同点弾をバロテッリに捧げるとしている。