フランス代表がW杯開催中に起こした一連の不祥事について、フランスサッカー連盟(FFF)の調査委員会が大会後に真相究明に乗り出したが、これまでその内容については明らかにされてこなかった。

 ところがここへ来て、フランスの週刊誌「ル・ポワン」が2日、調査委員会の報告書を入手してその内容を報じ、反響を呼んでいる。中でも各メディアの注目を集めたのは、「密告者はドメネク監督(当時)本人だった」という部分だ。

 これまでに報じられたように、フランス代表の“空中分解”を生んだ直接の発端は、メキシコ戦(6月17日)のハーフタイムにニコラ・アネルカ(チェルシー)がドメネク監督を罵倒したこと。2日後にレキップ紙がこの暴言を一面の見出しに引用して騒ぎが大きくなり、アネルカの追放処分、そしてそれに抗議する選手たちのボイコットへとつながった。

 問題は試合中の控え室で起きた出来事がどうして外部に洩れたかだ。アネルカ追放後の記者会見で主将(当時)のパトリス・エヴラは「チームの中に裏切り者がいる」と憤慨をあらわにしていた。

 ただし今回のル・ポワン誌の報道が、この「裏切り者」がドメネク前監督だったと結論しているわけではない。聴取を受けた選手18人のうち3人がそのように証言した、という調査報告の内容を報じただけだ。なおアネルカは聴取に応じなかったため、この3人の中には含まれていない。