ブラジルは2日、南アフリカ・ワールドカップ準々決勝でオランダに1−2と敗北を喫した。すぐに周囲による“裁判”は始まっている。最初に“被告人席”に立たされたのは、オウンゴールを記録し、暴力的プレーで退場となったMFフェリペ・メロ。同じく大きく批判されたのは、セレソンにブラジルらしい天才的プレースタイルを身につけさせず、ロナウジーニョのようなけた外れの選手を呼ばなかったドゥンガ監督だ。

『レーテ・グローボ』に最初にコメントを残したのは、GKジュリオ・セーザル。涙を流しながら、同選手はオランダの同点弾となったゴールシーンについて、次のように振り返っている。

「僕とフェリペ・メロが合わなかった。僕がミスしたんだよ。オランダの1点目はチームにとって大きな痛手となった。顔を差しだして、平手を受けるよ。グループは6度目の優勝に向けて、とても自信を持っていた。この結果は誰も予想していなかった。でも、サッカーではこういうことが起きるんだ。勝利だけを目指して代表は大会に臨んだ。でも、堂々と去らなければいけない」

一方、その『レーテ・グローボ』の実況を務めるブエノ氏は、「F・メロが自分を見失わないことなんてあるのだろうか?」とコメント。ブラジル『ESPN』のコメンテーターも、「1974年のオランダ対ブラジルのようだ。ナーバスで、暴力的で、退場者が出た」と話している。だが、F・メロは「全員に謝罪する。退場のことではなく、失敗に終わったことにね」とコメント。自身の退場は正しくなかったと考えているようで、「家に電話して泣いている息子の声を聞くのは難しい」と話している。

また、70年大会優勝メンバーの一人、ジェルソン氏は『ラジオ・グローボ』で、「すべてが決まっていたかのようだ」とコメント。次のように続けた。

「ただ、責任は選手たちではなく、彼らを選んだ者にある。ドゥンガはセレソンのゴール前でパスする能力すらなかった。ブラジルのゴールシーンでフェリペ・メロがスルーパスを出したのには驚きすらしたよ。彼は普段、こういうことはできないからね。もちろん、オランダは良いチームだが、特別というわけじゃない。ドゥンガとジョルジーニョ(コーチ)は何も見ていないんだ。ブラジル代表の戦術システムは何だったんだ? 何もない。どんなバリエーションがあったんだ?何もない。ドウシテロナウジーニョを外す? 彼が遊び好きだから? 重要ではない。大切なのは、プレーできるかどうかだ。ミランで調子が良かったのではないか?」

『TVグローボ』のコメンテーターを務めたファルカン氏は、「セレソンは前半が良かったが、その後ペースを落としてしまった。後半は前半と入れ替わりになったよ。前半は今大会ベストのブラジルだったんだがね」と、オランダの優位性を認めている。