21日のチャンピオンズリーグ(CL)準決勝で、リヨンとバイエルン・ミュンヘンが対戦する。

 昨シーズンまでリヨンの顔といえばジュニーニョとベンゼマだったが、今季からはGKユーゴ・ロリス(23)になったといって間違いないだろう。

 この一戦を前に、ドイツのメディアではバイエルンOBの元フランス代表が引っ張り凧。左右のサイドバックを務めたビシェンテ・リザラズとウィリー・サニョルの両氏だが、2人ともフランス代表の若き守護神を絶賛している。

 リザラズ氏は18日、ドイツのビルト紙に、「ロリスは驚きに値するGK。遅くとも2年後には、世界最高のクラブでプレーすることになるだろう。バイエルンにはこうアドバイスしたい。“彼を買え! 一刻も早く!”とね」とその才能に惚れ込んでいる。

 サニョル氏もまったく同意見。2008年にバイエルンを去った地元の伝説的GKであるオリバー・カーンの名を挙げ、「バイエルンにはGKが必要。ロリスはすでに世界最高のGKのひとりだ。冷静で、頭がよく、安定していて、むずかしいボールにもほとんどミスを犯さない。全盛期のカーンのように、チームに安心感を与える存在だ」とキッカー誌に語った。

 ただしバイエルンが来シーズンに向けて狙うGKは、シャルケ04のマヌエル・ノイアーだといわれる。バイエルンの優先課題はむしろ最大の弱点であるサイドバックの補強だ。今季のバイエルンは、フィリップ・ラームを右で使い、本来はセンターバックのバトシュトゥバーを左サイドで起用してしのいでいる。

 このポジションでも、リヨンの若手アリ・シソコ(21)が関心を引く存在となる。これについてリザラズ氏は、「僕だったら、ボルドーのトレムリナスを勧めるね」と自身の後継者といわれる24歳の成長株を推奨。シソコについては、トップレベルでどこまでやれるかが未知数、だという。

 サニョル氏も「スピードがあり、センタリングがうまい。突進力がある」とシソコを評価するものの、「技術的なミスが多い」とまだ慎重にならざるを得ない。

 いずれにせよ、バイエルンにとってリヨン戦は、別の角度からも注目すべき一戦となりそうだ。