リーグ・アン第33節が17日に行われ、3位リヨンと5位ボルドーは2―2で引き分けて勝ち点を伸ばせず、ブーローニュに勝利をおさめた首位マルセイユに差を広げられた。

 チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝につづき、3週間で3度目の対決となったリヨンとボルドー。タイトル争いに残れるかどうかの分かれ目となるこの一戦は激しい攻防となり、終盤には選手たちがもみ合う場面も見られ、両チーム合わせて退場者3人を出す荒れ模様で幕切れとなった。

 ふだんは審判に対する批判を口にしないボルドーのブラン監督も、この日ばかりは選手たちの興奮をうまく制御できなかった審判団に不満を表した。ただでさえ、選手のやりくりに苦労するブラン監督にとって、次戦で主力2人(トレムリナス、ジュシエ)を欠くのは痛い。一方リヨンは右SBのレヴェイエールが4位のモンペリエ戦で出場停止となる。

 「リヨンとの試合でこんな雰囲気になるのは珍しい」とレキップ紙に遺憾を示したボルドーのトリオー会長は、「原因はリヨンの監督。彼が試合の空気を乱し、みんなを苛立たせた」と敵将のピュエル監督を非難した。会長によれば、ピュエル監督が審判にたびたび難癖をつけたことで、終盤リヨンに有利な判定が相次ぎ、ボルドーの選手たちが冷静さを失ったという。

 そのピュエル監督は、数々のチャンスを逸したことを悔やんだが、リードされた展開で同点に追いつき「貴重な1ポイント」を得たことに、まずまずの満足感を示した。4日後にCL準決勝のバイエルン・ミュンヘン戦を控えて、主力を温存しての引き分けはよしとすべきだろう。

 これでいよいよ残り5試合(ボルドーは6試合)。マルセイユが2位以下に5ポイント差をつけて、18年ぶりのタイトルにまた一歩前進した。予想外の大健闘を見せる2位のオーセールは、マルセイユ、リヨンとの直接対決を控える。ボルドーは下位との対戦を残すのみとなったが、選手の体力的、精神的な下降が気がかり。リヨン戦ではその焦りが表面化した印象がある。