2009年12月半ば、バド・セリグ・コミッショナーが特別委員会の設置を発表した。この委員会は試合時間の短縮、ルールの変更や、ビデオ判定の拡大導入、ポストシーズンのスケジュールなど、目下の関心事を忌憚なく話し合う場として用意された。

  委員会はエンゼルスのマイク・ソーシア監督をはじめ、GM、オーナーなど14名からなり、第1回会合は1月半ばに開かれる予定で、DH制廃止論も議題に上がるといわれている。

 12月には2010年度の野球殿堂入り候補者も発表された。通算2724安打、オールスター出場12度、ゴールドグラブ賞10度に輝くロベルト・アロマー氏が最有力候補だが、元シアトル・マリナーズのエドガー・マルティネス氏も候補のひとりだ。

 マルティネス氏は1993年に足を故障してからは、もっぱらDHとして活躍し、1995年には.356を打ってDHとして唯一の首位打者となった。マルティネス氏が選出されれば、初のDH専門の打者が殿堂入りを果たすことになる。全米野球記者協会の投票権を持つメンバーは、指名打者が果たして殿堂入りにふさわしいかどうかの判断を迫られることになった(12月5日付ニューヨーク・タイムズ)。

 1973年に導入されてから、DH制は投手を甘やかし、監督の戦略レベルを低下させると批判されてきた。マルティネス氏が候補に挙がったことは、どんなに下手でも守備に価値はあるのか、DHが正しく評価されるためには、例えばまったく守備に貢献しない一塁手よりも、どれだけ安打を積み上げなければならないかといった難しい問いを投げかけている。

 殿堂入り選手の投票結果は1月6日に発表される。