サッカーチームの監督にとって、インターネットの時代は本当に大変なものだ。かつて、ファンは監督を批判するために、直接スタジアムへ出向いていた。だが今、ファンと監督の関係は変わっている。SNSやブログで批判されるのだ。

第一のルールは、誰であろうと容赦はしないこと。それを良く知っているのは、イタリア代表のマルチェッロ・リッピ監督だろう。現世界王者でありながら、彼は最も標的とされている代表監督なのだ。「Facebook」には「Lippi vattene(リッピ出ていけ:参加者3800名)」のほか、「マルチェッロ・リッピ?ノーサンキュー」、「リッピをボイコットしよう」、「リッピを解任しろ」、「リッピよ辞任しろ」など、アンチ・リッピに関する何百ものグループがある。

「カッサーノ」と検索すれば、「Lippi convoca Cassano(リッピよ、カッサーノを招集しろ:登録者7000名)」というグループが登場。サンプドリアFWアントニオ・カッサーノをイタリア代表へ招集すべきというグループやフォーラムの数は500を上回る。

「Facebook」で標的となっているのは、リッピだけではない。意外な監督も標的とされている。イングランド代表を率いるイタリア人のファビオ・カペッロ監督などだ。好結果を残し、ワールドカップ予選を突破した同監督だが、彼はイングランド人ではない、大金を稼ぎすぎだ、サッカーを生み出した者の秘密を知らない…などなど、「Capello out」のようなグループの参加者は多い。

南米でも、ブラジル代表のドゥンガ監督や、アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ監督がターゲットとなっている。だが、最も嫌われているのは彼だ。フランス代表のレイモン・ドメネク監督である。「辞任しろ、恥を知れ、アンチ・ドメネク」というグループには、1万人以上が参加している。

では、誰もが標的とされてしまうのだろうか? 実は、一人そこから逃れている代表監督がいる。アイルランド代表のジョヴァンニ・トラパットーニ監督だ。彼はスーパースター、カペッロより優秀…満場一致で、みな「トラップを応援」しているのである。