クリスチャン・ベイル(撮影:野原誠治)
 2003年に公開された前作「ターミネーター3」から6年、いよいよ今月13日より公開となる映画「ターミネーター4」。“審判の日”以後の世界で、終焉に近づいていく人類を救う最後の希望である指導者ジョン・コナーを演じたのは、1987年スティーヴン・スピルバーグ監督作品「太陽の帝国」でデビュー後、数々の作品で活躍する俳優、クリスチャン・ベイルだ。2005年の「バットマン ビギンズ」より主人公、バットマンを演じており、昨年の「ダークナイト」のヒットが記憶に新しい。そして、ファン待望の「ターミネーター」最新作というプレッシャーを全く感じさせず、新たな物語の扉を開いたのは「チャーリーズ・エンジェル」やドラマ「The O.C.」など数々のヒット作を生み出した、マックG監督。今回は来日した2人に、知られざる撮影秘話、そして「ターミネーター」次回作に関するヒントなどを迫った。

――印象に残っている撮影時のエピソードを教えてください。

クリスチャン・ベイル:武器の使い方をマスターするために軍隊の人に実際に教えてもらって、その時に色々と話せたのが面白かったですね。あと、実際にお会いしたわけではないですが、アーノルド・シュワルツェネッガーさんと映画の中だけでも共演できたのが印象的です。感激しました。

――脚本を読んだ時の率直な感想は?

クリスチャン・ベイル:まず、始めて僕が読んだスプリクトは完成した作品には入ってないんです。今まで描かれなかった“審判の日”の後を描いているということで、興味を持ちました。逆に、それ以外の話だとあまり面白くないのかと思いますね。

――緊張感のあるシーンの連続でしたが、リラックスしたい時にどんなことをしましたか?

クリスチャン・ベイル:ジョン・コナーという人は大変興味深いキャラクターで、複雑な家族の背景もあって、大変大きな宿命を背負っていますから、正直に言ってリラックスした場面はありませんね。逆にリラックスして演じてはいけないと思いました。

――マックG監督はジャパンプレミアで、とても盛り上がっていましたね。撮影中もあんなにハイテンションなのですか?

クリスチャン・ベイル:なぜだか分からないけど、監督はいつも元気なんだ(笑)。僕は現場でとても物静かな方だからちょうどいい組み合わせなのかもしれないね。満足しているよ。

――今回の来日で、印象に残っている場所などありますか?

クリスチャン・ベイル:実は、昨日ジャパンプレミアで5回目の来日と言ってしまったんだけど、本当は6回目だったよ(笑)。思い出…うーん。ホテル以外全く外に出ていないので困ってしまいますね。ホテルは居心地が良くて最高でしたよ(笑)。

――日本の多くの熱狂的ファンに歓迎されていましたね。

クリスチャン・ベイル:あんなに多くの歓迎をうけて本当に嬉しいですね。ただ、まだ映画を見ていないお客さんなので、本当は映画を見終わったあとの印象も知りたいというのが本音です。あとは、ロンドン、パリでもすでにプレミアを行っているのですが、どこでも同じようにフィギュアやパンフレットを持って大騒ぎになります。でも、日本ではインタビューがはじまるときちんと静かになってくれるんです。他の国では騒ぎで僕の声はかき消されてしまうけど。とても印象的でしたね。

――今回、ジョン・コナーという最高のリーダーを演じたわけですが、クリスチャン・ベイル自身が考える理想のリーダー像とはどんなものでしょう?

クリスチャン・ベイル:リーダーというのは難しくて、例えばチャーチル大統領はその時代ではとても強いリーダーシップを発揮していたと思いますが、今のような平和な時代ではリーダーにはなれないと思います。そうやって時代によって求められるリーダーというのは変わっていくと思うんですね。コナーも審判の日の前だったらもっと状況は変わっていたかもしれません。ですから一人一人違った“リーダー像”というものを持つべきなのだと僕は思います。