男女別の結果

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毎年恒例の「2009年度 新入社員の理想の上司」に関する調査が行われ、その結果を発表された。そこに名を連ねた有名人たちは予想通りの面々であったが、その理由には驚愕させられた。

調査を行ったのは産業能率大学で、今年度の新入社員を対象に、理想の上司とその理由について聞いた。調査対象となったのは産能大が開催した新入社員研修の参加企業145社の新入社員で、男性と女性それぞれの理想とする上司を、自由記述方式で尋ね、589人から回答を得た。

調査によると、理想の男性上司で1位を獲得したのは、つい先日、日本プロ野球通算最多記録更新の偉業を達成したイチロー選手だ。イチロー選手が1位となるのは初めてで、その理由としては「態度や姿勢が手本になりそう」、「リーダーシップがありそう」といったものが多く挙げられた。

また、男性上司で2位となったのはWBCで日本代表チームを2連覇に導いた原辰徳監督。昨年トップの所ジョージさんが3位となっている。このほか、昨年15位の高田純次さんが5位に、昨年29位のタモリさんが10位になるなど、「おじさま」方のランクアップが目立つ。また、全体で9位の堤真一さんは女性から10票を獲得し、女性の新入社員による投票では2位となっている。そして、ベスト10の常連だった北野武さんは12位、明石家さんまさんと星野仙一さんはともに23位と、順位を落としている。

一方、理想の女性上司については女優の真矢みきさんが1位に輝いた。真矢さんについて新入社員からは「適切なアドバイスをしてくれそう」、「態度や姿勢が手本になりそう」といった理由が多く挙げられた。

また、昨年トップの篠原涼子さんは2位に後退。仲間由紀恵さんと天海祐希さんはともに順位を上げて3位となった。男性上司ではスポーツ選手や大御所芸人が多く名を連ねているのに対し、女性上司では女優のランクインが目立つ。

芸能関係者以外でトップ10入りは5位のヒラリー・クリントン米国務長官のみとなっている。ちなみにヒラリー氏は男性新入社員からは22人からの支持を集めており、男性社員の中では3位に入っているのだが、女性新入社員からはわずか2票しか獲得できていない。「女性の社会進出の鏡」とされるヒラリー氏だが、意外にも日本の女性からの支持は低いようだ。


ところで、調査ではこのほか、「理想の上司の理由」について、15項目を挙げて回答数を制限せずに尋ねられた。この回答で、新入社員がどのようなことを上司に期待しているのかが浮き彫りになり、理想の上司の「条件」が見えてくるのだが、その結果はため息を禁じえないものであった。

全体で最も多かったのは「適切なアドバイスをしてくれそう」で、36.3%だ。次いで2番目に多かった回答は「やる気を引き出してくれそう」で34.1%、そして「人柄がよく親しみやすそう」が33.6%と続く。

この結果について調査を行った産業能率大学は「強固なリーダーシップを発揮するタイプよりも、人間味があって近づきやすく『自分に合わせてくれる人』が好まれるようだ」と分析している。あくまで「理想」を挙げろと言われての回答なのだろうが、それにしても主体性がなさすぎやしないか。「やる気」など自分で出すものだ。

「上司とそりが合わない」というのが新入社員の抱える悩みの定番だが、今はむしろ逆かもしれない。会社に入る前から「自分に合わせてくれる」「やる気を引き出してくれる」と言っている「お客様」社員を抱える上司の悩みは察するに余りあると言えよう。

(編集部 鈴木亮介)

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