プレイステーション3(以下、PS3)やXbox360は、インターネット経由でゲームの体験版をダウンロードすることができる。雑誌の付録やゲームショップから体験版をもらうことなく自宅でダウンロードできるので、そのお手軽感からか、けっこうな数のユーザーがダウンロードしていると思われる。

メーカーは体験版でユーザーに興味をもってもらうことができるし、ユーザーは発売前に体験版でチェックして買うかどうかを決めることができる。どちらにとっても損のない最高のシステムのように思えるが、メーカーは「損はしていません」とハッキリいえない状況のようだ。

『gamerbook』によると、米ソニー・コンピュータ・エンタテインメント(以下、SCE)はダウンロード容量1ギガバイトにつき、約15円の課金を支払う内容の契約を、メーカーと結んでいるという。つまり、ユーザーが体験版のゲームを2ギガほどダウンロードした場合、30円をメーカーがSCEに支払うことになる。それが事実ならば、2ギガの体験版のゲームが10万回ダウンロードされた場合、300万円をSCEに支払うことになる。

これはかなりメーカーの負担が大きいような……。このことについて元ファミ通編集者でゲーム開発にも携わった経験のあるX氏にコメントをいただいた。「体験版はメーカーにとってモロバの剣(効果はあるがマイナスになることもあるたとえ)であり、それで売れることもあれば、売れなくなることもあります。ですから、欧米では体験版を出すこと自体に消極的なメーカーもあります。さらにダウンロード数の予想がつかない場合もありますし、課金されるとあっては、さらに体験版の減少が懸念されます」。

ユーザーとしては体験版でガンガン遊んで、本当に買ってもいいゲームなのかチェックしてみたいところ。この報道が正しければ、ユーザーのためにもメーカーの負担削減のためにも、体験版のダウンロードの課金についてもっと深く考える必要がありそうだ。人気が出て売れればダウンロードにかかった費用を取り戻せるのでいいが、そうでないとすれば結構な支出となる(このニュースの元記事はこちら)。
 
イラスト:見ル野栄司
 
 
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