JAXAとユネスコは2日、人類共通の世界遺産の監視保護に役立てるため、JAXAの陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)を利用した世界遺産監視協力に関する取り決め(MOU)を締結したと発表した。



ユネスコは、これまで欧州宇宙機構(ESA)等と協力して、2003年より「世界遺産条約支援のための宇宙技術の利用に関する公開イニシアチブ」において、衛星による世界遺産の監視を実施し、その保護に役立ててきた。一方JAXAは、2006年1月の陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)打上げ以降、約3年間にわたって全球の観測を続け、その中で世界遺産の観測データも蓄積してきた。

世界遺産は世界においては、約900近く登録されている。うち、日本は白神山地、屋久島、知床の自然遺産が3件、文化遺産が11件、登録されている。

だいちの観測対象サイトは現在調整中だが、だいちセンサーの特徴から自然遺産中心に選択予定だと言う。対象となる日本以外の自然遺産には、アンコールワット、四川ジャイアントパンダ保護区、サガルマータ国立公園(ネパール)、マナス野生生物保護地区(インド)、ハロン湾(ベトナム)といったアジアの自然遺産や、カラクムル遺跡(メキシコ)、マチュピチュ(ペルー)がある。

(編集部:T.0tsu)