「日本の真ん中」は一体どこ 青森から徳島まで、自治体の「立候補」が相次ぐワケ
日本列島と数々の島々から成り立っている日本。その「真ん中」を主張する自治体が数多く存在しているという。
見方によって「真ん中」は様々
2019年1月6日放送の情報番組「噂の!東京マガジン」(TBS系)では「日本の『真ん中』はどこだ?PR大合戦」と題してこの話題を取り上げた。
30の自治体が名乗り
番組の調べによると、全国で30か所も「日本の真ん中」を主張している。同じ都道府県に密集しているところもあり、最も多い長野県は4つの市町が名乗りを上げている。
ほかにも東京からは日本橋、永田町、麻布台と23区内だけでも3か所が主張している。また、北は青森県東北町、西は徳島県東みよし町も立候補しており幅もある。
番組では30か所の中から長野県辰野町を訪れた。ここが主張する理由は罫線と緯線が00分00秒で交わる交点であるゼロポイントが町内にあるためだ。辰野町では北緯36度と東経138度が交わり、国内におよそ40か所あるゼロポイントの中でも中心にあたると主張している。
武居保男町長も出演し番組の取材に対応。現在、町では大々的にPR活動を行っているが、NHKで18年9月21日に放送された「チコちゃんに叱られる!」で「日本の中心の中の中心」として取り上げられたのがきっかけと語った。
お隣の塩尻市も訪れ、分水嶺があることから「真ん中」を主張。さらに群馬県渋川市は北海道から九州までを囲った円の中心が群馬県で、地図を見てさらに中心が渋川市であると自治会の人が語った。
どの場所にも理由があるようで青森県東北町は「日本中心」の碑が出土、徳島県東みよし町はゼロポイントがあることから名乗っている。ちなみに東京の3か所は日本橋が五街道の基点、永田町が政治の中心、麻布台が日本経緯度原点の存在を挙げている。
こうした「真ん中」乱立の背景には人口減少があるようで、辰野町の武居町長は「何とか人口の減っていく速度を抑えたい」としそのPRに使いたい。渋川市もやはり人口減少が背景にあり、市役所の職員は観光客の誘致や移住者の定住につなげたいと話した。
PRするにも何か起爆剤が欲しい―― それ故に「日本の真ん中」は町にとって大きな存在になるのは明白だ。
しかし、ツイッターではこの件について、
「日本の中心だからって『そこに超住みてーっ!!』とはならないです」
「人口減少を食い止めたいのならもっと根本的なところをなんとかしなきゃダメでしょ!」
「どこが『日本の真ん中』かで盛り上がってるのは当事者だけなのよ...残念だけど」
「『日本の中心』で観光客を呼べると思っているその感覚から改革しないとだめじゃないかな...」
など少々厳しい意見を寄せている。自治体にとっては千載一遇のチャンスであるが、ライバルとの争いや周囲の目など問題は多いようだ。