長命を促進するスポーツ 第1位はテニス 欧米での研究

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●ラケットを持つスポーツをする人が長生きする傾向

 大坂なおみ選手の全米オープン優勝で盛り上がるテニス界。その話題に拍車をかけるような研究結果が、デンマークとアメリカで発表された。

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 デンマークはコペンハーゲンの疫学専門家チーム「シティ・ハート・スタディ」は、1971年から2017年の25年にわたり、8,600人のライフスタイルとスポーツの関係を追跡した。その結果、当然のことながらスポーツを日常的に行う人は、そうでない人よりも長生きをすることが明らかになった。

 さらにスポーツの種目別に、平均してどのくらい長生きをするかという点に焦点が当てらえた。その結果、テニスをする人はスポーツをしない人よりも、平均して9.7年長命であることが報告された。テニスだけではなく、バドミントンやスクワッシュなどラケットを持つスポーツは、概してほかの種目よりも長生きをする傾向が高かった。

 一方、アメリカのミッドアメリカ・ハート・インスティテュート セント・ルーク病院が雑誌『メイヨー・クリニック・プロシーディングス』に発表した内容は、マラソンや自転車競技など単独で行うスポーツと、2人以上で行うスポーツが健康に与える影響を発表している。

●テニスはサッカーよりも健康に寄与する?

 「コペンハーゲン・シティ・ハート・スタディ」によれば、上述したようにスポーツをしない人と比べてテニスをする人は9.7年長生きをする。これは、調査したスポーツ種目では最も長かった。

 テニスに次ぐ第2位はバドミントンで6.2年、第3位はサッカーで4.7年、第4位は自転車競技で3.7年、第5位が水泳で3.4年、第6位はマラソンで3.2年、第7位が新体操の3.1年という結果になった。

 調査した中で最下位となったのはフィットネスで1.5年。それでも、なんらかのスポーツをする人はしない人よりも、長生きするという結果に変わりはない。

●相手や仲間がいることで高まる精神的な効果

 また、アメリカの研究では、2人以上で行うスポーツの効果について研究がなされた。

 それによると、テニスなど相手がいるスポーツ、また仲間と相手がいるサッカーなどのスポーツは、心臓や筋肉に及ぼす物理的な効果だけではなく、精神的社会的にも利益をもたらすとしている。研究に参加した1人ジェームス・オキーフェ氏は、仲間や相手とスポーツをすることによりストレスが軽減されるからでは、と述べている。

 しかし、テニスをはじめとするスポーツの種目と長生きの関連は、まだ明確ではない。

●テニスをする経済的余裕が長生きの理由という説も

 一方で、ライフスタイルや経済状況を、長命の理由と関連付ける研究者もいる。

 つまり、テニスをする人の多くは、経済的にも時間的にも余裕があり、それがテニスをしない人よりも長生きをする理由とする説だ。

 今後もスポーツとライフスタイルについての研究は続けていく、とオキーフェ氏は結んでいる。