by Raúl Villalón

大きな音と衝撃をもたらす落雷は、安全な屋内から見ているとその美しさに見とれてしまうこともあります。もちろん落雷に打たれれば大きなけがを負ったり死亡することもあり、インドではわずか13時間の間に3万回を超す落雷が観測され、9人が死亡したと報じられています。

India state records 36,749 lightning strikes in 13 hours - BBC News

http://www.bbc.com/news/world-asia-india-43905726

インド南東部にあるアーンドラ・プラデーシュ州では2018年4月24日に、わずか13時間で3万6749回もの落雷が記録されたとのこと。アーンドラ・プラデーシュ州の災害管理局によれば、異常な数の落雷は「極端な気象条件の結果」だそうですが、この落雷によって9歳の女の子を含む9人が死亡したと発表されています。

インドではモンスーンの影響で6月から雨期に入るため、秋までは集中して雨が降りますが、アーンドラ・プラデーシュ州を含む一部地域では、雨期に入る前から落雷の回数が増加する傾向にあるそうです。しかし、アーンドラ・プラデーシュ州では昨年の5月全体で観測された落雷数が3万回であり、ほんの13時間で3万6749回もの落雷が観測された今回のケースは明らかに異常だとのこと。

今年はアーンドラ・プラデーシュ州の北部沿岸地域において、アラビア海から吹き込む冷たい風とインド北部から吹き込む暖かい風が衝突し、大量の雲が形成されていました。落雷の可能性がある雲は通常15キロメートル程度の大きさですが、アーンドラ・プラデーシュ州の上空では200キロメートル以上にも雲が成長していたそうです。



by pushkar v

インドの国家犯罪記録局(NCRB)によると、インドでは2005年以降、毎年2000人以上が落雷によって死亡しているとのこと。2016年6月にはインド中東部のビハール州を含む地域で、93人が死亡する落雷が発生しており、インドでは落雷による死者が絶えません。

落雷による死亡者数が多い理由として、インドには信頼性の高い落雷の警報システムが存在しないこと、加えて他の国々よりも屋外で働く人々が多いことが挙げられます。今後も雨期の終わりにかけて落雷の活動が活発になると予想されるため、インドに行く際は注意が必要です。