東京メトロが、丸ノ内線に新型車両の2000系電車を導入します。2019年2月に営業運転を開始する計画です。

2019年2月に営業運転開始

 東京メトロは2018年3月26日(月)、丸ノ内線に新型車両2000系電車を導入すると発表しました。2019年2月に営業運転を開始する予定です。


丸ノ内線の新型車両2000系電車のイメージ(画像:東京メトロ)。

 2000系は、インダストリアルデザイナーの福田哲夫さん、福田一郎さん監修のもと、東京メトロの各部門から集まった社員が丸ノ内線の特徴から導き出したキーワード「地上」「活気」「先進的」をもとに、車両コンセプトを策定しました。

 外観の色は、鮮やかな赤の「グローイング・スカーレット(Glowing Scarlet)」とし、波線の「サインウェーブ」を織り込みます。内装は、開放的な車内空間を演出する球面形状の天井パネルを採用。また、車端部の窓には東京メトロで初めて丸窓が採用されます。

 車内にはセキュリティカメラを設置。座席は1人あたりの座席幅をひろげるとともにクッション性を改良し、座り心地を向上させます。1編成6両全ての車両にフリースペースを設置。また、東京メトロで初めて、小物が置けるテーブルや荷物掛け、携帯電話など小電力の充電が可能な電源コンセント(2口)が設けられます。

無料Wi-Fi導入 自走できる非常用バッテリーも

 各ドア上には17インチワイド液晶の車内表示器を3画面搭載し、乗換案内などを提供。さらに訪日外国人向け車内無料Wi-Fiが導入されます。放送システムは、聞き取りやすい高音質ステレオ方式です。


車内イメージ。球面形状の天井パネルを採用(画像:東京メトロ)。

車内イメージ。丸窓やテーブル、電源コンセントなどを設置(画像:東京メトロ)。

2000系の走行イメージ(画像:東京メトロ)。

 車両は片軸操舵台車を採用し、曲線走行時の安全性向上とレールと車輪の摩擦によるキシリ音を低減。さらに大規模停電などの異常時を想定し、万が一、駅間に停止した際にも最寄駅まで走行できる非常走行用バッテリーを搭載します。

 また、万一脱線した場合にも自動で列車を停止させる脱線検知装置や、走行中の車両各装置の動作情報を車両基地や総合指令所などに常時伝送し、状態監視、予防保全に活用できる車両情報管理装置を搭載します。

 東京メトロは2022年度の稼働を目指し、日本の地下鉄で初めてCBTC(無線式列車制御システム)を導入する計画を進めています。同社によると、CBTCの導入により前後の列車間隔を詰めることができ、高い遅延回復効果が得られるといいます。

 2000系導入後は、この車両を用いてCBTCの試験運用が行われます。また、2022年度中には53編成318両が導入される計画です。