電波天文学で観測される波長の1つに「21cm線」があります。これは中性の水素原子から放出されるスペクトル線であり、波長がほぼ21cmであることからそう呼ばれています。水素は宇宙に最も多く存在する物質であり、21cm線は地上の電波望遠鏡でも観測可能です。水素から放出されるスペクトル線の値そのものは不変であるため、観測された波長のズレは天体自身の運動によるドップラー効果や宇宙の膨張による結果であると見なせます。21c