長谷川豊が偏向報道の裏側を暴露!

写真拡大

 メディアのウソ、新聞テレビの偏向報道はネット社会になって多くの場所で言われ始めたことだ。

 確かに、大手テレビ局に在籍し、実際にテレビ画面で多くのニュースを伝えてきた筆者にとっても、耳の痛い話が多い。14年間もニュースを伝えていたので、中には視聴者を裏切ってしまっているもの、変更させてしまっているものはあるにはあった。

 これは、何パターンかあって……

(1)自分たち現場の取材班が「こんな事実があった!」と会社に戻った段階で、「いや、それじゃ面白くないだろ」と言って何の汗もかいていない偉そうに口だけを出してくる「デスク」と呼ばれるバカたちが勝手に内容を改ざんするもの。これは大概、テレビ的には面白すぎる話に代わっているケースが多い。

(2)現場に行くまでもなく、勝手に報道内容が決めつけられているもの。これは例えば、フジサンケイグループでは上層部が自民党……特に町村派にべったりの人間が多すぎるので、彼らを批判的に報じる内容は最初からなかなか出来なかったりする。これはよみうりグループでも同じだ。なんといってもトップがあのナベツネ氏ではどうしようもない。次の総理を選ぶ場に同席とかしていると報じられているほどの人物だ。無理やりな圧力はどちらもないのだが、そこはさすが日本人。いわゆる「空気を読む」ので、その方向にしか報じられなくなる。

 逆もまた然り。去年までの朝日新聞やテレビ朝日などはとにかく政権の批判をしていれば何でもよかった。ま、それらを見比べることで、我々は多種多彩な意見を取り入れることができるのだが……。

捻じ曲げられた麻生副総裁の発言

 最近で言えば、総選挙の前の麻生副総裁の言葉の揚げ足取りには辟易とした。麻生氏は自民党内でもそこまで大人数ではない「麻生派」のトップである。自民党の中では数少ない、官僚とちゃんとやり合えるほどの知識を持ち、何よりの魅力は彼のトークスキルだ。

 官僚が用意した原稿を読まずとも、聞いている人間を引きつける話し方のできる政治家であり、筆者自身、永田町で最も好きな政治家の一人である。

その麻生氏が先だって「子どもを産まないのが問題」と講演会で話した、というのが大きく取り上げられ、「これは問題だ!」などと何にも分かってない頭スッカラカンのマスコミがギャースカ騒ぎ立てたことがあった。

 皆さんも記憶に新しいことだろうが、これも、麻生太郎氏の麻生派が自民党の中では権力をそこまで持っていない派閥であることと、何でも批判してりゃ満足な一部のバカマスコミの作り上げた大ウソである。

 そもそも、日本経済を考えてほしい。少子高齢化という日本の人口構成比率は先進諸国では絶望的な数字であり、先日はワシントンポスト紙でも「日本の人口構成は絶望という螺旋階段に入っている」とまで書かれた悲惨な状態のものだ。

 麻生氏は経済の話をし、デフレのリスクなどを問うた上で、まるで長生きしている老人が悪のようなことを言う人間がいるが、「経済的な面で言えば」子供を産まない(産めない)状況がまずい、と指摘しただけである。

 こちらに全文がしっかりと記載されている。もし興味があればご一読願いたい。完全な書き起しであり、麻生氏がどれだけ魅力的な話をする政治家かよく分かる。

 こんな当たり前のことを言っても、ワイドショーを見ると、IQが30程度しかないと思われる勉強一つしないバカコメンテーターが「麻生さんはまたやっちゃったかーって感じですね」みたいなコメントを平気でしているのが日本のテレビの悲しい現状でもある。

 DMMニュースで僕の連載を読む方はどうか、心してテレビや新聞を読んでほしい。テレビや新聞はあくまで参考意見程度のものであり、しかも、コメンテーターとして出演しコメントしている人間やキャスターたちは、現場で汗をかくこともせずに、テレビ局に置いてある新聞を流し読みで読んで適当に時間配分を考えてコメントしているにすぎないのだ。

 ニュースの何を見て、何を読み解くのかは、皆さん自身で考え見つけることだ。コツの1つは、ちゃんと現場を足で歩き、汗をかいている人間のコメントに耳を傾けることだろう。テレビ的には面白くないかもしれないが、面白くもない意見が、実は真実だったりする。そんな指摘をこれからもしていければと思っている。

著者プロフィール

フリーアナウンサー

長谷川豊

フジテレビ出身のフリーアナウンサー。14年間、朝の情報番組「情報プレゼンターとくダネ!」で、現場取材やニュースのリポートを担当。取材した現場数は1700以上。伝えたニュースは2500を超える。退社後はアナウンサーだけではなく、講演・執筆など、多方面で活躍中。現在、TOKYO MX(デジタル9チャンネル)の「バラいろダンディ」(月〜金 夜9:00〜)でメインキャスターを務める他、「キリウリ$アイドル」などのバラエティーの司会も務める。