新ドラマ『ウロボロス』原作コミック

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「5年ほど前、原作がまだ2巻しか出ていなかった頃からのファンです。表向きは冴えない刑事なのに、何故か検挙率はトップで、いざとなると誰も抑えが効かなくなるほど強く、その目はまるで殺し屋のよう……というイクオのキャラクターに惹かれ、(中略)ストーリーに魅了されました。もし自分がイクオをやれるならば、竜哉はこの人しかいないと思っていた小栗旬さんとの共演も叶い、興奮がとまりません」(注1)

 こう語ったのは生田斗真(注2)。2015年1月クールの連続ドラマ『ウロボロス この愛こそ、正義。』(TBS系金曜ドラマ・22時〜)で、主人公の刑事・龍崎イクオを演じている。

 イクオと<愛してくれた女性の復讐>という目的を共有する幼馴染のヤクザ・段野竜哉役には小栗旬。イクオの相棒の女刑事・日比野美月役に上野樹里、復讐の発端となる児童養護施設の先生・柏葉結子役に広末涼子、さらに中村橋之助、吉田鋼太郎、滝藤賢一、吉田羊、ムロツヨシ、清野菜名、武田久美子と超豪華キャストが勢ぞろい。おまけに主題歌「Sakura」を歌うのが<嵐>ということで、話題沸騰中だ。

5年の歳月を経て実現したドラマ『ウロボロス』

 いま連続テレビドラマの多くが、漫画を原作としている。多くの場合、テレビ局やテレビ製作会社の人間が「この原作からテレビドラマを作りたいんですが?」とオファーしてくるのがスタートだ。もちろん原作側から売り込んだり、プロデュースするケースもある。

 どちらにしろ俳優に出演を依頼するのは、原作側と映像側が接触してからだ。しかし、この『ウロボロス』では俳優の熱意が友人の俳優に伝わり、周囲を動かしていった。

「斗真君から<いつか一緒にやろう>と言われてた作品」(注3)

 と、小栗旬も思いを共有してきた。それでも5年の歳月を要したのは、どんどん売れっ子になっていく2人のスケジュールや、テレビ局の編成上の調整など、さまざまな事情が絡んだゆえ。結果的に連続ドラマでの共演は、さらにさかのぼって2007年の『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』以来となった。

 しかし実現まで長い年月がかかったからこそ、思いを蓄積することでより大きな存在となった2人と、豪華共演陣の火花散る芝居合戦が見ものと言えるのだ。

 ……ちなみに筆者は、原作漫画を出している会社の人間。というか原作サイドの責任者である。「だから誉めていたのか?」、「ステマだ」と短絡的に言うなかれ。立場を離れても、一視聴者としておすすめできるドラマであることを保証します!

(注1)生田発言…製作発表時の公式コメントより。
(注2)生田斗真…出演者ゆえ敬称略とした。
(注3)小栗発言…1月11日・特別試写会でのコメントより。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。DMMニュースではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ