Innovator(イノベーター)とは日本語では「革新者」と訳されますが、さまざまな分野で革新的な仕事をし業界や世界中の人びとに影響力を与える人物を指すこともあります。 MIT Technology Reviewの編集者が世界的な35歳未満のイノベーター500人を選出し、外部の識者によってトップ35人まで絞られたリスト「35 Innovators Under 35」が公開されています。

35 Innovators Under 35 | 2014 | MIT Technology Review

http://www.technologyreview.com/lists/innovators-under-35/2014/

◆01:Fadel Adib(25歳)



Wi-Fi信号を使って壁の向こう側を可視化する「Wi-Vi」を開発中。

◆02:Emily Balskus(34歳)



ハーバード大学で腸内細菌を研究中で、コリンをトリメチルアミンに分解する細菌中の酵素を発見しています。

◆03:George Ban-Weiss(33歳)



南カリフォルニア大学教授としてヒートアイランド現象を研究。研究結果を採用したロサンゼルス市は住宅の改築で屋根を高反射タイプに義務づける法案を可決しました。

◆04:Miles Barr(30歳)



透明の太陽光パネルを開発中。完成すればスマートフォンのディスプレイで太陽光発電できるようになると期待されています。

◆05:Ayah Bdeir(31歳)



モジュール型の電子回路を販売するlittleBitsのCEO。littleBitsシリーズについてはGIGAZINEでも記事化しています。

NASA共同開発の解説書で「科学」を体感できるモジュール回路工作キット「littleBits Space Kit」レビュー - GIGAZINE



◆06:Kuang Chen(34歳)



文字認識に機械学習技術を用いること紙媒体に印刷された文字情報を従来の数十倍の速度でキャプチャしてデジタル化するソフトウェア「Captricity」を開発しました。

◆07:Rumi Chunara(32歳)



SNSの情報を解析してインフルエンザやコレラなどの病気の感染を予測するデータ解析技術を開発中。

◆08:Emily Cole(31歳)



光を利用する事でエネルギーをそれほど消費せずに二酸化炭素をアセトンやイソプロパノールなど30種類以上の有用な有機化合物に変換することに成功しています。2017年に二酸化炭素から変換されたエチレングリコールの商用化を計画中とのこと。

◆09:Tanuja Ganu(31歳)



電化製品と電気コンセントの間に挿入することで電力消費量を監視して電力需要のピークを予測する「nPlug」という小型の装置を開発しました。nPlugによってインドの貧弱な電力インフラの安定化に成功しており、開発途上国の電力インフラへの活用が期待されています。

◆10:Shyam Gollakota(28歳)



ワシントン大学でコードなしで充電できるワイヤレス充電を研究中。すでに20メートル離れた建物間での信号送受信に成功しているとのこと。

◆11:Severin Hacker(30歳)



無料で語学学習ができるサービス「Duolingo」を開発。Duolingoで学習できる言語の数は30を超え、利用者3000万人を突破しています。

◆12:David He(28歳)



皮膚に光を照射したときの吸光量から血圧や心拍数を正確に測定できるリストバンド型ウェアラブル端末を開発するQUANTTUSを創設しました。

◆13:Kurtis Heimerl(30歳)



通信網の整っていない僻地でプライベート通信網を構築できるプロジェクト「Endaga」を主催。

◆14:Rand Hinidi(29歳)



ビッグデータを解析して3日後の電車の混雑具合を予測するアプリを開発しフランス国鉄に提供しています。

◆15:Sarah Kearney(29歳)



世界的な温室効果ガス削減を目指す非営利組織PRIME Coalitionを設立。

◆16:Duygu Kuzum(31歳)



IBMで脳の神経細胞のように働くコンピュータチップ「SyNAPSE」を開発中。SyNAPSEについてはGIGAZINEでも記事化済みです。

IBMが人間の脳を模倣して学習し環境に適応するコンピュータチップを発表 - GIGAZINE



◆17:Quoc Le(32歳)



ディープラーニングという人工知能技術を研究中。Le氏の開発した技術はGoogle画像検索に活用されています。

◆18:Jinha Lee(27歳)



MIT在学中にMicrosoftのインターンシップ生として3Dデスクトップを開発。現在はサムスン電子で双方向型の次世代テレビの開発に取り組んでいます。

◆19:Aaron Levie(29歳)



快進撃を続けるクラウドストレージサービスBoxを率いる若きCEO。BoxについてはGIGAZINEでも記事にしています。

無料で10GB使えてオンラインでテキストの共同作成もできるストレージ「Box」 - GIGAZINE



◆20:Alex Ljung(32歳)



誰でも簡単に音楽をアップロードして共有することができるサービスSoundCloudを創設しました。

◆21:Palmer Luckey(21歳)



VRヘッドセットOculus Riftで知られるOculus VRの共同創設者のLuckey氏は今回のリストの最年少者でまだ21歳です。なおOculus VRは設立から2年でFaceboookに約2000億円で買収されています。

「Oculus Rift」がFacebookに約2000億円で買収されたことが判明、MinecraftがOculus Rift版開発から撤退へ - GIGAZINE



◆22:Megan McCain(31歳)



幹細胞から心臓の細胞を2.5センチ四方の小さなチップ上に培養することで、心臓の働きや薬物投与のテストをできるハート・オン・チップを開発。

◆23:Maria José Pereira(28歳)



乳児の心臓の心室や心房の壁に穴が開いた状態の心室中隔欠損・心房中隔欠損を治療するためのパッチを開発。

◆24:Manu Prakash(34歳)



わずか50円で自作できる使い捨ての顕微鏡「Foldscope」を開発。FoldscopeについてはGIGAZINEで記事化済み。

約50円で自作できる超激安「使い捨てペーパークラフト顕微鏡」が開発される - GIGAZINE



◆25:Michael Schmidt(32歳)



データ解析ソフトウェアEureqaを開発。

◆26:Julie Shah(32歳)



MITの教授として刻刻と変わる状況の変化に応じて行動を分析し、人間と協働できるロボットを開発中。

◆27:Maryam Shanechi(33歳)



脳の神経細胞間に伝わる信号を分析して脳の活動レベルを把握し、精神疾患などの症状を緩和する治療法を開発中。

◆28:Bret Taylor(34歳)



34歳のTaylor氏は、Google Mapの開発者、FriendFeedの共同設立者、「いいね!」ボタンを生み出したFacebookの前・最高技術責任者という華々しい経歴の持ち主。

◆29:Kay Tye(33歳)



海馬・扁桃体間の接続が「不安」に大きな影響を与えていることを発見し、これを調整することでうつ病患者の不安を和らげる治療法を探求しています。

◆30:Santiago Villegas(29歳)



犯罪情報を匿名で報告できるシステム「Online Safety Project」を開発することで、目撃情報を迅速に収集し被害者救済を目指しています。

◆31:Jonathan Viventi(32歳)



脳に約1平方センチの小型チップを埋め込み電気信号データを取得して高解像度で画像化した上で複雑なパターンから脳の反応を解析する研究を進めています。この脳信号の解析はてんかんの治療を目的にしているとのこと。

◆32:Kathryn Whitehead(34歳)



糖尿病患者の腸内に設置して適時にインスリンを分泌するパッチを開発中。

◆33:Tak-Sing Wong(33歳)



食虫植物の粘着液をヒントにしたslippery liquid-infused porous surface(SLIPS)と呼ばれる細菌を寄せ付けない液体を開発。

◆34:Hui Wu(31歳)



リチウムイオン電池の負極に使われる炭素材料をシリコンで代替することで、環境負荷の小さい高性能バッテリーを作る研究をしています。

◆35:Guihua Yu(33歳)



生体組織のようなナノ構造を持った導電性ポリマーを開発中。この導電性ポリマーは糖尿病患者の血糖管理に役立つ高感度のグルコースセンサーや高いエネルギー密度と柔軟性を兼ね備えた高性能バッテリーへの活用が期待されています。