映画『るろうに剣心 京都大火編』(左)と映画『ルパン三世』(右)
 - (c)和月伸宏/集英社 (c) 2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会 (c)2014 モンキー・パンチ/「ルパン三世」製作委員会

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 映画『ホットロード』『るろうに剣心 京都大火編』『寄生獣』『ルパン三世』や先日発表された『暗殺教室』など、勢いを増す人気コミックの実写映画作品。実写作品がファンをがっかりさせず、受け入れられるポイントとは何か。今年公開された作品を振り返りながら、考えていきたい。

 実写化が決まり、評価が大きく変化するのが、キャラクターの再現度。キャスティングはもちろんのこと、話し方やしぐさを含めどれだけ再現しているか、キャラクターのつくり込みのセンスが問われる部分だ。伝説的少女コミックを実写映画化した『ホットロード』は、「能年玲奈と登坂広臣なら」という理由で、原作者の紡木たくが実写化を承諾したという珍しいケースの作品。「あまちゃん」のイメージが強い能年が、国民的笑顔を封印して、心に傷を負う少女を体現している。キャスティング発表時に大きな反響を呼んだ『ルパン三世』では、数か月のアクショントレーニングを積み、8キロも減量して「ルパン体形」に備えた小栗旬が、声色や歩き方一つまで徹底した役づくりに挑んでいる。

 また、コミック実写化においてもう一つ重要なのが、映像面。原作の世界観が映像で再現されていなければ、そもそも物語に入り込めない。邦画で初めてMoVI(カメラのブレを抑える画期的デバイス)を使用した『るろうに剣心 京都大火編』では、役者のアクションにより近づいたり、役者と同じ速度で走る、飛ぶなど、より臨場感あふれる撮影が行われ、興行収入30億円を突破するという大ヒットを記録している(興行通信社調べ)。

 そして映像面で注目なのが、来年公開予定の『進撃の巨人』。人類が巨人に支配されるというハードルの高い世界観を、監督の樋口真嗣をはじめ、特撮監督の尾上克郎(特撮短編『巨神兵東京に現わる 劇場版』監督補)、撮影の江原祥二、特殊造形プロデューサーの西村喜廣など、日本映画界屈指のスタッフがどのように描くのか、注目されている。

 全編ラップミュージカルという、これまでにない手法に挑んだ園子温監督最新作『TOKYO TRIBE』のように、あえて冒険に出るケースもあるが、果たしてあなたの評価は? 人気コミックの実写作品に、話題が尽きない。(編集部・山本優実)

映画『ルパン三世』は全国公開中
映画『るろうに剣心 京都大火編』は全国公開中