余命宣告にも負けずに愛らしい姿ふりまく猫に世界中が感動

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 今、世界中から注目を浴びる一匹の日本の猫がいます。
 その猫の名前は「こむぎ」。
 3歳になるこの茶トラ猫は、今の飼い主にもらわれたときは痩せこけていて、体はボロボロだったそうです。さらに、新たな生活の中で発覚した“深刻な病気”と余命宣告…。

 それでも、今日も「こむぎ」は元気に暮らしています。遊び、はしゃぎ、眠り、飼い主がかまってくれないと、「かまってよ」と気を引いてきます。
 その「こむぎ」の姿を、写真共有SNSサイト「インスタグラム」を通して約27万人のフォロワーたち見つめ、たくさんのポジティブな反応が返ってきます。その約27万人の中には日本人だけでなく、世界各国から声が寄せられているのです。
 そんな「こむぎ」との日々を、「インスタグラム」仕様の正方形の写真とともにつづったフォトエッセイ『こむぎねこ』(tomo/著、主婦の友社/刊)が登場しました。

 ロフト付きワンルームの部屋の中を縦横無尽に動き回る「こむぎ」。ロフトの上をうろうろ、布団にくるまってすやすや、名前を呼ばれればひょこっと顔を出す…。「こむぎ」の写真を見ていると、まるでその音が聞こえてくるようです。

 「こむぎ」が大きな病気にかかっていることが分かったのは、去勢手術を終えてから約3ヶ月後でした。
 ある日、tomoさんが家に帰ると、「こむぎ」はパタンと倒れ、苦しそうに鳴きはじめたのです。しかし、1〜2分もすると立ち上がり、また普通に歩きはじめる。原因が突き止められないまま、少しずつ「こむぎ」の身体の異変は強くなっていきます。
 そして、心臓外科を得意とする日本でも有数の動物病院に連れていった結果、出された病名は「深刻な心臓病」。余命半年と宣告されました。
 そのときから、tomoさんの「こむぎ」の闘病生活が始まります。毎朝と夕方に薬を飲ませ、月に一度、病院へ。興奮すると発作が出てしまうことがあるので、おもいっきり遊ばせることも控えるようにしたそうです。
 これまで、大きな発作は2回。「もうダメかもしれない」と思ったこともあったそうです。それでも、今、「こむぎ」は余命半年を超えて生き続け、「インスタグラム」を通して愛らしいその姿を世界中の人々に見せています。

 もともとは野良猫だった「こむぎ」がひょんなことからtomoさんの元にやってきて約3年。本書には、tomoさんと「こむぎ」のゆっくりと流れる日常の風景がたくさんの写真として収められています。

 毎日仕事から帰ってくると。こむぎがいる。うれしくて、仕事の疲れもあっという間に吹き飛んでしまいます。(p24より)

 きっと猫を飼っている人ならば、誰もがこのtomoさんの言葉に賛同するはず。
 猫好き、動物好きの人はもちろんのこと、動物を飼ったことがない人でも癒され、優しい気持ちになる一冊です。
(新刊JP編集部)