温暖化のせいで雪が足りない…平昌冬季五輪を悩ませる気象問題
2018年に韓国江原道平昌で開催される平昌冬季五輪が、深刻な雪不足に頭を抱えている。五輪が開催されるのは2月9日から25日までの17日間だが、温暖化の影響でこの期間の平均気温が最高気温、最低気温ともに上昇しているほか、積雪量も減少する一方という。同国では、五輪を成功裏に終えるためにも徹底した対策が必要だとする声があがっている。
平昌五輪は3度目の立候補で開催を勝ち取った。平昌五輪準備委員会のイ・ビョンスン氏は、「ウィンタースポーツに適した気温マイナス3度を維持し、年間の積雪量は平均37.1センチに達するなど最適の気象条件を持ち合わせている」と平昌の魅力を説明する。
しかし、平昌の平均気温は1980年代のマイナス6度から、2000年代に入るとマイナス3.9度まで上昇。最低気温と最高気温もマイナス11度から9.4度、マイナス1.1度から1.3度とそれぞれ上昇している。
スキースポーツにもっとも適した気温はマイナス5度からマイナス10度とされるが、最近の平昌はマイナス5度に届かない日も多いという。
積雪量の減少も深刻問題だ。1970代の平均積雪量は52.2センチだが、2000年代は26.9センチと約25センチも少なくなった。降雪機を使用したとしても、スキー場をオープンさせることができる積雪30センチを満たすことは難しいという。
気温上昇と積雪量の減少による影響は、今年すでに表れている。1月29日から2月5日にかけて開催された「平昌冬季スペシャル五輪」では、2月1日に降った雨の影響で、予定されていた一部の競技が安全性の問題から中止となっている。室内で行われるスケート競技は天候に左右されないが、野外競技は大きな影響を受ける。
現在、韓国気象庁は、平昌地域に気象観測の装備を設置するなどして、五輪を成功させるために力を注いでいるという。
韓国メディアは、平昌の現状について「天候によって競技の運営に大きな支障がでる可能性がある」と伝えており、平昌五輪の開催に懸念を示した。(編集担当:新川悠)(イメージ写真提供:123RF)