/くじが当たっても、当たったのはくじで、あなたではない。かりに勝っても、それは売り物の嘘。嘘が膨れるほど、現実がしぼむ。博打にカネを使うのは、妻や子、孫、友人知人を裏切るのと同じ。だから、あなたは、絶対に幸せにはなれない。/

 夢を買う、などと言うのは、売り手の側の嘘。逆だ。ほんのわずかとはいえ、せっかく苦労して手に入れた貴重な現実を、あなたは自分でドブに捨てている。だから、あなたは絶対に幸せにはなれない。たとえくじが当たっても、当たったのはくじであって、あなたではない。だから、そのカネは、すぐにあなたの手元から逃げていき、二度と戻っては来ない。そんなことを続けているかぎり、あなた自身は絶対に幸せになれない。

 パチンコは、もっとタチが悪い。あれは、大半の客は、基本的に勝つようにできている。だから、みんなはまる。人生の敗北者たちを大量にかき集め、見せかけの「勝ち」を味合わせる商売。出玉率が100%以上でも、客の数さえ多ければ、スーパー並みの景品の仕入れ値との差で、店は絶対に儲かる。つまり、スーパーで同じものを買ったらずっと安く買えるのに、わざわざパチンコ台の前でムダに時間をかけ、法外な差額を払い、ニセものの、勝った、という気分をカネで買っているだけ。どんくさいオヤジが夜の風俗店で高いカネを払っておべんちゃらを言ってもらって、モテている気分を味うのと同じこと。これらは全部、売り物の嘘だ。そして、嘘が膨れるほど、現実がしぼむ。

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