「フリー・エージェント」や「ノマド」と、「会社」という組織。「あちらを立てればこちらが立たず・・・」というものでもない。「個」が活躍できる時代だからこそ、今こそ、組織の存在意義が見直されるべき時。

『モチベーション3.0』の著者として知られるアメリカのジャーナリスト、ダニエル・ピンクは、1997年の大晦日に『フリー・エージェント・ネイション』と題する記事を米ビジネス誌に寄稿しています。(注:のちに同名の本が出版された。)

特定の組織に所属せずに働く人を、ピンクは、「フリー・エージェント」と定義し、「アメリカ合衆国には1,400万の自営業者と830万のフリーランサー、230万の派遣労働者、占めて約2,500万の『フリー・エージェント』が存在し、これはアメリカの就労人口の16%にあたる」と述べました。記事の中で、ピンクは、今後はこのような「所属」に囚われない働き方が主流になっていくだろうと予言しましたが、それから15年が経過した今日、恐らくこの数値はもっと大きいものになっていると思います。

昨今では、「フリー・エージェント」に代わり、特に日本では「ノマド・ワーカー」という言葉が取り沙汰されています。「ノマド」は「nomad(遊牧民)」。オリジナルには、「会社、自宅に関わらず、『オフィス』という物理的な場所に囚われず仕事をする人」という意味らしいですから、自営業であるか勤め人であるかという「所属」は関係ありません。アメリカでも、会社に勤めてはいるが自宅勤務する人やスタバのようなカフェなど公共の場で働く人が増えていて、これらは「テレワーカー」や「リモートワーカー」などと呼ばれています。

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