バラック・オバマの就任演説と組織論/石塚 しのぶ
アメリカ国民を結ぶのは、肌の色でも、信仰でも、名前の由来でもない。アメリカは、「価値観」のもとに建てられた国。オバマ就任演説を聴いて感じた、「今、日本に求められていること」。
バラック・オバマの演説は素晴らしい。情熱的であり、何より自然体で、聴衆の心を掴むのにかけてはまったく達人だ。
私は日本人として長年アメリカに住んでいる。仕事柄、日本とアメリカという二つの国を行き来しつつ生活しているおかげで、どちらの国を見るにつけても、一歩引いて、まるで外国人のような感覚で見る癖がついている。1月21日(月)の朝も、首都ワシントンDCで行われた就任式の演説を聴いていて、アメリカという国の本質を垣間見るような気持ちがしてはっとさせられた。
それは演説の冒頭に来る。オバマが、「アメリカ国民を団結させるものは」と語る箇所だ。
オバマは、まず、「アメリカ国民を団結させるものは、肌の色でも、信仰でも、名前の由来でもない」と言う。ご存知のように、アメリカという国は、「人種のるつぼ」や「サラダボウル」という言葉に象徴されるように、様々な人種や宗教、民族が共存している。日本のような国と違って、これらの要素がアメリカ国民を定義するものではないということである。
そして、オバマは、アメリカ国民を団結させるものは、むしろ、ある「理念」に対する忠誠だという。独立を巡ってこの国がイギリスと戦った時に、その宣言の中に明記された「理念」である。
その理念とは、
「すべての人間は生まれながらにして平等であり、生命、自由、そして幸福の追求は、創造主により授けられた不可侵の権利である」というものだ。
建国の際に、平等という基本原則のもとに、生きる権利、自由である権利、幸福を追求する権利ということを共通の価値観として打ち立てたこと、それが、200年以上がたった今でも、この国民の本質として根強く生き続けているように思う。
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バラック・オバマの演説は素晴らしい。情熱的であり、何より自然体で、聴衆の心を掴むのにかけてはまったく達人だ。
私は日本人として長年アメリカに住んでいる。仕事柄、日本とアメリカという二つの国を行き来しつつ生活しているおかげで、どちらの国を見るにつけても、一歩引いて、まるで外国人のような感覚で見る癖がついている。1月21日(月)の朝も、首都ワシントンDCで行われた就任式の演説を聴いていて、アメリカという国の本質を垣間見るような気持ちがしてはっとさせられた。
オバマは、まず、「アメリカ国民を団結させるものは、肌の色でも、信仰でも、名前の由来でもない」と言う。ご存知のように、アメリカという国は、「人種のるつぼ」や「サラダボウル」という言葉に象徴されるように、様々な人種や宗教、民族が共存している。日本のような国と違って、これらの要素がアメリカ国民を定義するものではないということである。
そして、オバマは、アメリカ国民を団結させるものは、むしろ、ある「理念」に対する忠誠だという。独立を巡ってこの国がイギリスと戦った時に、その宣言の中に明記された「理念」である。
その理念とは、
「すべての人間は生まれながらにして平等であり、生命、自由、そして幸福の追求は、創造主により授けられた不可侵の権利である」というものだ。
建国の際に、平等という基本原則のもとに、生きる権利、自由である権利、幸福を追求する権利ということを共通の価値観として打ち立てたこと、それが、200年以上がたった今でも、この国民の本質として根強く生き続けているように思う。
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