私たちは、自分の直感的・感覚的な判断がしばしば間違っていることもあることを自覚し、データ分析に基づく科学的な判断を積極的に取り込む必要があります。


これまでもしばしば取り上げてきましたが、私たちの日々の「判断」の多くは、直感的・感覚的に行っています。

直感的・感覚的判断は、

・本能的な反応と言えるもの
(例えば、危険な動物を見ると恐怖を感じ、すぐさま退避行動が取れるのは、ご先祖様から引き継いだ本能的な反応)

・経験や知識を通じて学んだもの
(例えば、警察官など、制服を着た人に対して素直に従ってしまうのは、過去に従うことで「安全」が確保されるなどメリットが大きかったから)

に大別できます。

上記のどちらにせよ、過去に蓄積された

「経験・知識」

に基づいて現在や未来についての判断を行なっているのですが、だいたいにおいてうまくいくのは確かです。(過去と類似の事象は繰り返し起こるからです)

こうした直感的・感覚的判断は、できるだけ頭を使わず(思考せず)、すばやく判断することで、無駄なエネルギーを使わないようにするために習得した一種の

「アート(技術)」

だと言えるでしょう。

ただ、直感的・感覚的判断にはしばしば

「ゆがみ(バイアス)」

が含まれていることは、

「行動経済学」

などによって検証されてきており、これまで様々なバイアスの例をもろもろご紹介してきました。

個人の日常生活であれば、直感的・感覚的判断に伴う多少のバイアスはそれほど大きな問題とはなりません。(もちろん、状況によっては騙されて大損することもありますから、できるだけ思慮深くありたいものですが)


一方、企業においては、判断を間違うと、数千万〜数億円(あるいはそれ以上)の損害を出すリスクがあるにも関わらず、実に多くの企業で、担当者、あるいは最終決裁者である役員陣による、

直感的・感覚的判断

が下されてきています。

続きはこちら