今回は“ミドリムシ”によって「人と地球を健康にする」という壮大なテーマに挑戦する、ミドリムシ∞カンパニー・株式会社ユーグレナの安間美央さんに、同社の広報活動についてお話を伺いました。

“ミドリムシ”が地球を救う

―御社は“ミドリムシ”を活用した事業を展開されていますが、そのきっかけや具体的な事業内容について教えてもらえますか?

創業者である社長の出雲が学生時代にバングラディッシュに行ったとき、食料自体はあるのに栄養不足から子どもたちが様々な病気に苛まれている状況を目の当たりにし、食料そのものの不足ではなく栄養バランスが悪いことが食糧問題なのだと考えるようになりました。そこで帰国後出雲は文学部から農学部に転籍し、栄養豊富な食料を探していた時に “ミドリムシ”と出会い(※)ました。

“ミドリムシ”というと、その名前からよく昆虫と勘違いされることが多いのですが、実際は微細藻類であり、藻の一種です。“ミドリムシ”は、自分で動くことが出来る動物性の要素と、光合成という植物性の要素の両方を併せ持っているのが特徴で、59種類もの豊富な栄養素を含んでおり、“ミドリムシ”が食糧問題を解決するのではないかと考えました。


ユーグレナ(学名:Euglena、和名:ミドリムシ)

しかし当時すでに“ミドリムシ”の可能性については示唆されていたものの、なかなか実用化は困難であると言われていました。というのも“ミドリムシ”だけを大量培養することは難しく、どうしてもそれ以外の不純物も一緒に培養されてしまうという問題が解決できていなかったのです。そこで出雲は従来とは異なるアプローチをとることにより“ミドリムシ”だけを大量培養することに成功し、事業化にこぎつけることが出来ました。

現在は食品および化粧品分野にて事業展開すると同時に、バイオ燃料の実用化や水質汚染対策に関する研究を進めるなど、さまざまな可能性が期待されています。

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