目標年間4万台に対して半年で5千台の販売と業界筋では言われているプリウスPHV(プラグインハイブリッド)。苦戦である。そこには商品の良さが伝わり切れていないというだけでなく、戸建て住宅でないと充電設備が設置できないというハードルが存在する。しかし、巻き返しのチャンスも到来しているようだ。

■トヨタのポートフォリオ計画

 トヨタのラインナップにおいて、プリウスはもはや「金のなる木」として存在している。初代発売以来15周年を迎え、かつての金のなる木、カローラを過去の存在として「黙っていても売れるオイシイ車種」となっているのだ。
 代わって、ポートフォリオの「花形」の存在となっているのは「アクア」である。本体価格の安さや取り回しの良さがウケて大ヒット。なおも伸び盛りの車種となっている。
 そして、「問題児」のポジションにあるのがプリウスPHVである。ポートフォリオマネジメント(PPM)の原則からすれば、「次世代スター」に「問題児」を育てるためにはコミュニケーションコストを中心として多額のキャッシュを「金のなる木」から搾り取って投資する必要がある。しかし、オイシイ金脈が転がっているのである。

■「問題児」の育成にオイシイ補助金

 「エコカー補助金(環境対応車普及促進対策費補助金)」がそろそろ底を尽きると囁かれている。しかし、リリースによればエコカー補助金はこれだけではないという。「クリーンエネルギー自動車等導入対策費補助金(通称:CEV補助金)」。実は、PHV、EV、クリーンディーゼル車にはという“第2のエコカー”を対象とした補助金が存在するのである。現行の制度では、平成25年2月28日までに新車登録された対象車に適用されるため、通常のエコカー補助金が切れる今後、申請の増加が見込まれている。

■マクロ環境(PEST)分析の「Political」要素がカギか?


続きはこちら