【意外過ぎて驚きシリーズ】『ブラック・ジャック』のピノコは18歳!?

マンガ家・手塚治虫さんの代表作の一つが、医師免許はないものの天才的な腕を持つ外科医を描いた『ブラック・ジャック』。作品中に登場し、ときには手術の助手までする幼女ピノコについて、読者から「大人ぶっているけれど本当は0歳」(男性/埼玉県/30歳/運輸・倉庫/営業職)という驚きの情報が寄せられた! そこで今回は、ピノコの年齢を検証してみたい。

 おかっぱ頭にフリフリのワンピース、三等身の体つきに舌足らずの発音が特徴のピノコ。どう見ても子どもでしかない彼女だが、実は18歳なのだ。その秘密は彼女の出生秘話が描かれた、第12話「畸形嚢腫(きけいのうしゅ)」で明かされている。畸形嚢腫とは双子として生まれるはずだったものが、一方の体内にもう一方の体の一部が腫瘍として取り込まれてしまった状態のこと。それはゴムのような袋に包まれており、中身も成長とともに大きくなる。ピノコもこの状態で生まれ、ブラック・ジャックによって取り出されるまで姉の体の中で育っていた。ピノコは、その期間の記憶がきちんとあるようで、作中では「ピノコ、18よ! レレイ(レディ)なのよ」と子どもではないことを主張することが多い。第116話「ハッスルピノコ」では、ブラック・ジャック自身が「ピノコは18年間、姉の体内に同居していたわけで」と証言している。ということで、ピノコが作品に登場したときの年齢は戸籍上は0歳だが、実際は18歳と言えるのである。





 姉の体内の腫瘍の中に脳や手足、内臓など人間に必要なパーツが奇跡的にそろっていたため、ブラック・ジャックが合成繊維でできた入れ物としての体を与え、人間として生活できるようになったのがピノコ。しかし、なぜピノコの姉は普通の医師ではなく、無免許医であるブラック・ジャックに手術を依頼したのだろうか? それは、「腫瘍の摘出=自分が殺される」と感じたピノコが、念力で手術道具を破壊するなどして次から次へと手術を妨害したから。「最後の頼みの綱」として選ばれたのがブラック・ジャックだった。彼が「殺さない」とピノコを説得することで、摘出に成功したのだ。





 この「テレパシーを使って手術を妨害」というエピソードは、のちのピノコの強気な性格をよく表している。ときに暴力的であったり、ヒステリックであったりするが、強気な頑張り屋さんとして機能することも。「ハッスルピノコ」では、ブラック・ジャックに内緒で「秋田通信教育進学講座」という通信教育の課程を終える。それにより自信を持った彼女は、将来、女医になってブラック・ジャックをサポートするために高校受験に挑戦。頑張ったものの精神的な幼さから体調を崩し、受験は失敗してしまう……。ピノコは泣く泣く幼稚園から始めることを自ら決めるのだが、初日に窓ガラスが割れるほど大暴れ!! たった1日でクビになってしまうのだ。もしかしたらこの窓ガラス、姉のおなかにいたとき同様に念力で破壊したのかも!?





 文・中野文香(C-side)







※ アンケート

調査時期:2012年1月13日〜1月23日

調査対象:マイナビ ニュース会員

調査数:男女574名

※ 調査方法:インターネットログイン式アンケート