昨日は3本とも朝日新聞関係の記事にしてしまった。このままでは「野球の記録で話したい」ではなく「野球のお金で話したい」か「野球のスキャンダルで話したい」になってしまう。
しかしながら、この事件はこれまでの事件とは性格を異にする。下手をすれば、NPBの大相撲化を招きかねない。またアマチュア野球にも甚大な影響を与えよう。

記録関係の記事も出していくが、引き続き進展があれば考えを述べていくことにしたい。

さて、今朝の朝刊。朝日新聞は「オピニオン」の3/4を使って3人の関係者、有識者に話を聞いている。特に元ヤクルトのスカウト部長だった片岡宏雄氏のコメントが面白い。

片岡氏は、巨人の契約金の額の多さに驚いたと書いている。阿部の10億も野間口の7億も多すぎるとしている。※1資金が使い放題の巨人のスカウトはうらやましいとも思ったが、巨人はスカウトの決定を球団幹部や監督がひっくり返してしまう。ヤクルトはスカウトが好きにやれて面白かった。※2資金が限られているヤクルトにとって「1億円プラス出来高払い5千万円」という基準は、選手に「これ以上出せない」と突っぱねることができるので助かったのだそうだ。※3さらに、高橋由伸にはヤクルトも5億+5億までだそうとしたが、結局巨人が指名した、と述べている。※4

※1巨人は、有望選手と見れば手当たり次第に札びらを切っていたことが分かる。片岡氏は、野間口を全然評価していなかった。巨人のスカウト能力の低さの傍証だ。
※2慶応出身の正力亨オーナー(故人)が、同窓の大森剛や上田和明をドラ1指名して笑い物になったことを思い出す。
※3表裏に関わらず契約金が高騰するのは、選手サイドがそれを要求するからだ。プロだけでなくアマチュア野球にも深い病根があることが分かる。
※4 片岡氏は週刊誌でもたびたびこの話をしているが、全国紙に載ったことは大きい。他球団も金額の多寡こそあれ巨人と同じことをやっていたことがわかる。この「申し合わせ」を守った球団が果たしてあったのかどうか。また、朝日の報道では、高橋由伸との契約は、6億5千万円とされているが、10億積んだヤクルトではなく、巨人に行ったことから、契約金以外に何らかの利益供与があったことがうかがわれる。高橋の父が背負った60億の借金を巨人側が肩代わりしたという話が巷間つたわっているが、これが現実味を帯びてくる。