クラブの強化ヴィジョンや運営ポリシー、J加盟の準備状況についてはあらためて触れたい。まずはほぼJリーグ加盟決定、ほぼJ2昇格決定、おめでとう。

一年かけて追求してきた結果、最後に残った答えがパスサッカーではなく戦う気持ちだったという事実は興味深い。流動的なパスサッカーというスタイルを生かすのは強い気持ちだし、高度な戦い方がなければ気持ちだけあっても勝てない。

両輪だ。攻撃的な娯楽サッカーを旗印に掲げ、ブレることなくやりきり、少なくともJFLレベルでは洗練されたスタイルと強い気持ちを併せ持つチームになれたことを証明した。その事実をJFL卒業証書として、Jリーグに挑んでもらいたい。

東京ではなく町田、東京ではなく多摩という感覚のある土地のクラブではあるが、もちろん東京都サッカー協会の管轄下にあり、正式にJリーグに加入すれば、東京「都」第三のJクラブとなる。今後はそういう視点で語られる機会も増えるだろうし、東京都内の先輩後輩クラブが眼の色を変える起爆剤になるかもしれない。

個人的にも東京サッカーの一翼として注目していきたいと思う。

FC東京との関係で言えば、町田のランコ・ポポヴィッチ監督が来季東京の新監督に就任することが確実と報道されている。ポポヴィッチ監督本人は、去就についてはシーズン終了後に話すと言っていた。正式な発表は最終節が終わってからということになるのだろうか。

既定の報道どおりに事が進んだ場合、クラブと唐井直ゼネラルマネージャーが掲げてきた、攻撃的、娯楽的で、町田市の少年に夢を与えるサッカーをする、その路線を新たな監督の許で継承しなければならない。

Jリーグ加盟に際し、その対価としての痛みを伴うことになる。

J2にJFLとの昇降格精度が導入された場合、JFL降格の恐怖に打ち勝ちながら、攻撃的なサッカーを貫くという茨の道が待つ。これからが正念場だ。

■著者プロフィール
【後藤勝】
東京都出身。ゲーム雑誌、サブカル雑誌への執筆を経て、2001年ごろからサッカーを中心に活動。FC東京関連や、昭和期のサッカー関係者へのインタビュー、JFLや地域リーグなど下位ディビジョンの取材に定評がある。著書に「トーキョーワッショイ」(双葉社)がある。
2011年3月、FC東京の取材に特化した有料メールマガジン「トーキョーワッショイ!MM」を創刊した。

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