ドラッカーは、そんな研修には効果がないと言っている。/川口 雅裕
「強みに焦点を当てよ」は、研修担当者に何をメッセージしているのか?
「ウチの社員は、レベルが低いので」という人事の方は、非常に多い。ご依頼いただいた研修の企画案をお持ちすると、ウチの社員が理解できるだろうか、ウチの社員にこれができるだろうかという心配をされ、企画の変更を要望されるので、謙遜ではなく本当にそう思っておられるようだ。そう感じてしまう理由は様々なのだろうが、研修を担当するようになってからの勉強量がそう思わせるのかもしれないし、普段から人事部に寄せられる要望や質問の内容でそんな風に感じるのかもしれないし、社長や現場長がそのように人事担当者に言っているからかもしれない。
ドラッカーの有名な言葉に、「強みに集中せよ」がある。意味の一つは、個人にしても組織にしても、苦手や弱みを普通レベルや得意となるまで引き上げていくことはとても難しいので、強みを更に伸ばすほうが効果的である、ということ。もう一つは、「組織のメンバーが同じような強みを持っていても、それは外から見れば弱みがある状態」であって、逆に「各々が異なる強みを持てば、外から見て弱みがない状態にすることができる」ということだ。この観点から考えると、「ウチの社員は、レベルが低いので」という発言は、まさにその逆で、弱みに焦点が当たってしまっていることがよく分かる。
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「ウチの社員は、レベルが低いので」という人事の方は、非常に多い。ご依頼いただいた研修の企画案をお持ちすると、ウチの社員が理解できるだろうか、ウチの社員にこれができるだろうかという心配をされ、企画の変更を要望されるので、謙遜ではなく本当にそう思っておられるようだ。そう感じてしまう理由は様々なのだろうが、研修を担当するようになってからの勉強量がそう思わせるのかもしれないし、普段から人事部に寄せられる要望や質問の内容でそんな風に感じるのかもしれないし、社長や現場長がそのように人事担当者に言っているからかもしれない。
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